80年代のアニメに造詣の深い歌手、「モモーイ」こと桃井はるこが歌う、なつかしのアニメソング13曲と、製作会社の解散により「幻の曲」となっていたゲームソング1曲を収録したアルバム。
このアルバムの最大の特色は、使われている全ての音に、20年ほど前の家庭用ゲームになぞらえたアレンジが施されていることだ。スーパーマリオ風の「裸足のフローネ」、RPG風の「ふしぎなメルモ」などなど、はじめは「えっ!?」と思う意外な取り合わせも、何度か聴いているうちに、全く不自然に感じなくなるのが不思議だ。
このアルバムで桃井はるこは、ファミコンの雰囲気に合わせた電子音っぽい声色で歌っている。公式ページの製作者コメントによれば、このために独自の歌唱法を用いているとのこと。アニメのオリジナル曲に対する思い入れの強さによっては、この歌い方は好みが分かれるだろうが、桃井はるこの手によるゲームソングを聴きなれた層なら、きっとどれかは相性の合う曲が見つかるはずだ。私の場合、「アレアレアラレちゃん」は、キャラクターのイメージに上手くマッチしているように感じた。
ところでこのアルバムには、ちょっと面白い鑑賞法がある。パソコンのプレイヤーで視覚効果を「スコープ」に切り替え、オシロスコープ風の波形表示を眺めながら聴くのがおすすめだ。ファミコン時代の音源に特徴的な正弦波、矩形波やノコギリ波が、モモーイの声に合わせてリズミカルに幾何学パターンを描くのは見ものである。