仕事上の必要があって、ファシリテーションに関する書籍を漁ったなかの1冊。
ファシリテーションは比較的新しい言葉で、その意味する範囲は広いようだが、
本書では企業における社内会議に的を絞って、そのスキルの体系化を試みている。
企業内の会議の8割は「進捗確認会議」と「問題解決会議」である(p9)とし、
会議のゴールを「情報共有」「創造」「調整」「決定」の4つのパターンに分類、
全ての会議はこのプロセスを順に辿る、と類型化した点が非常にわかりやすい。
会議をうまく運営する方法については、これまでもいろいろな議論があって、
サラリーマン社会における、それこそ「永遠の課題」のひとつだが、
ファシリテーションは、これまでの会議の運営スキルの中に、
ヒューマンスキルの要素を多く取り込んだ点が新しいといえる。
本書は、類書に比べて肝心の「ヒューマンスキル」の記述が少ないが、
逆に、会議運営スキル全体を体系化し、網羅的に取り上げているので、
ファシリテータのやるべき仕事がコンパクトに見渡せる。この点が出色である。
従って、本書で会議運営の体系を押さえてから、
『今すぐできる!ファシリテーション』堀公俊,2006,PHPビジネス新書
など、ヒューマンスキルにフォーカスした類書に当たるのがよいと思う。