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54 人中、49人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
貴重な1冊。,
By カスタマー
レビュー対象商品: ファザーファッカー (文春文庫) (文庫)
「どんな親だって、本当は、子どもが大事なんだよ」私が両親からの暴力に耐え切れず、家出したいと友人に相談した時、こんな言葉をかけられ、反対された事があった。 彼女はきっと、親から子への虐待とはどんなものか、そのような家庭で生きていくのはどのようなことか、想像できなかったのだろう。 この作品では性的虐待という大きな問題が描かれているが、それよりむしろ主人公静子が描写した「家庭の空気」そのものが強く印象に残った。 虐待を知らない人には、リアルにそれが伝わる本。
57 人中、51人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
勇気あるカミング・アウト,
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レビュー対象商品: ファザーファッカー (文春文庫) (文庫)
10年くらい前になるが、この私小説を読んだときの衝撃は忘れられない。こんな過去を公表してこの人は大丈夫なのだろうか、というのが当時の率直な感想だった。何が大丈夫なのかというと、周りの人から好奇の目で見られるのではないかと心配したのである。そして、見てはいけないものを見てしまった気がして、二度と本を開く気にならなかった。思い出したくない忌まわしい過去を小説化し、世に出すということは、古傷をえぐり、その血で文章をしたためるような行為である。どれだけの割合か正確に把握することは不可能であるが、今現在も日本に家庭内の性的虐待は確実に存在する。そして、虐待は悲しい連鎖を繰り返す。父親から性的虐待を受けていた女性が、赤ん坊の睾丸を反射的に切り取ってしまった事件は、まだ記憶に新しい。たいていの場合、性的虐待を受けた少女たちは、誰にもそれを打ち明けることができず、心に暗黒を抱き、自分自身を否定してしまう。著名人である内田春菊が、自分の過去を公表したことによって心を救われる女性たちは必ずいる。その意味でこの小説の出版の意義は大きい。果たして自分だったら公表できるだろうかと考えると、彼女の勇気あるカミング・アウトに心から敬意を表したい。
28 人中、24人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
家父長制と核家族神話が生んだ結末,
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レビュー対象商品: ファザーファッカー (文春文庫) (文庫)
以前「頂上対談 (新潮文庫)」というビートたけしの対談集で、松本人志が読む小説の話で内田春菊の小説がすごいというようなことを語っていて、今さら(初版は1993年)ながら手に 取ったのがこの本。 松本がこの本を指して言っていたのかは定かではないが、この本はまちがいなくすごい、を超 え惨い。帯に自伝的小説とあり、どこまでがフィクションなのかは分からないが、エピソード のおおよそは彼女の体験なのだろうから、よくぞまっとうな大人に育ったと彼女に拍手を送り たくなる。 実父に別れを告げた母、私、妹の家庭に養父がやってくる。この養父との生活が作品のメイン テーマになるのだが、この男の最低ぶり、鬼畜ぶりはぜひこの本を読んで直に体感してほしい。 男というものがここまで許しがたく醜悪な化け物として描かれた作品を私は他に知らない。 読んでいてさらに読者を絶望の淵にたたき落とすのは、「私」の苦しみを理解することなく 無批判に養父に追従する母親と、そんな状況下でもいい子を演じる妹の偽善ぶり。 血の繋がったかけがえのない家族にさえ助けてもらえないという状況下、彼女はどうするか。 空想の世界に逃げ込むのだ。クリエイティブな職種の人と歪んだ家族との間に相関性があるの は確かにうなずける。 「父―娘」の歪んだ関係が主題の小説は他に『永遠の仔』を読んだことあるが、あれが男性の 書き手で、この本が女性の書き手だったことも関係があるのだろうか、こちらの方がはるかに 怒りと憎しみが伝わってきた。こんな父親にはなるまいと、親になる予定もないのに思わず決 意してしまうのである。
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