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そして、今回読了して、最後の最後は女性的なやわらかいものなんだと、肩に力が入っているようじゃなにごともと成就できないんだと、感じた。今日読み終わるまで、ファウストの最後のシーンはキリスト教的な救済なのだと固く固く信じてきたのだが、それだけではないものを感じた。ファウストの魂が価値を持ちうるのは、死んでしまった後だったんだ、これは自分にとって大きな発見であった。
ギリシア神話絶世の美女ヘレネーをめぐる冒険をはじめ、現世的な問題(政治、戦争など)にも取り組み、あらゆる快楽と権力を追究/追求し続けるファウスト。しかし、彼の心はどうしても満ち足りません。干拓事業を完成させ、僅かばかりの土地に細々と住んでいた老夫婦までを追い出したファウストが、最後に見たものは…。
逆説的な結末を迎えるファウストの姿は、今なお新鮮です。近代化を続け、物質的豊かさを追求し、享楽的に生きながらも、心の飢えがなぜか満たされない現代人。ファウストが抱えていた問題は、いまだに解決されていない。そんなことを考えさせられました。訳も読みやすく、お勧めです。
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