これはタイトル通りファインマンが書いた手紙を「集めた」ものである。従って全ての話に繋がりがあるわけではない。しかし彼の手紙はどれをとってもみなユーモアが溢れており充分に楽しむことができるし、厚みのある本だけに読みたい所から読むことができるところが良い。手紙は年代ごとにまとめられているので時代と共に変化していく彼の様子も窺うことができる。
数ある手紙の中で一番印象に残っているのは「何よりも興味の持てることを、できるだけ大胆不敵な、独自の方法で、精一杯勉強しなさい。」という一文。新しいことを始めるのに不安を感じていた時にこの言葉を読んで非常に励みになったし、今もなっている。
ファインマンというと岩波書店から出版されている「ご冗談でしょう、ファインマンさん(上・下)」や「困ります、ファインマンさん」等がある。それらに収められているのは逸話でいわば脚色されたファインマンであるが、これは手紙がほぼそのまま載せられているのでありのままのファインマンを知ることができる。だからと言って先に挙げた本がダメだというのではなくむしろそれらと一緒に読むことでより彼の人間性が見えてきてより楽しむことができると思う。