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著者は物理学者でありながら、ハリウッドで脚本も手がけているという変わった職歴を持つ人物。その著者が物理学者としてカルフォルニア工科大学に招聘された頃の話なので、物語のあちらこちらに物理学の話が出てきますが、専門的なことや難解なことは一つも出てきていないので、科学嫌いな人でも気にせず読み進んでみてください。
内容は全体的に易しいので、高校生くらいの年齢の方なら少しの時間で読み終えてしまえると思います。著者を導く老物理学者、ファインマンの人生観、何かを愛するということ、そして科学への飽くなき探究心は必見です。
アインシュタインが量子論に対してかたくなであったと同様に、ファインマンはひも理論をなかなか受け入れようとしなかった。彼が物理学において確立した自由で個性的な美学は、最後に彼を縛ってしまったのか。
ファインマンは、学問に悩む若者に最後の問題を出す:「原子を顕微鏡で見るとする。どんどん拡大して、だんだん像がはっきりしてくる。そこで、君はわくわくするか? 自分に問い、自分に答えよ。」栄光は結果であり、努力や苦戦は過程であり、まず自分が楽しむことを出発点にしなければならないというメッセージなのだろうか。
ファインマンは、自分の人生を総括し、青春時代の恋人との出会いと結婚生活が最上の幸福であり、それで十分だったと述べる。彼女と死別して以降に、物理学者・科学者として至上の発見と栄光を得たにもかかわらず。
陳腐な言い方になってしまうが、世の中に、ここまで自分に正直に生きたロマンチストがいたということは、驚きであり、爽快である。
おもしろい。若々しい頃のファインマンの文章に慣れ親しんだ者にとっては、全く別人に見える「ファインマン」である。
ファインマンの著作や講演、エッセイなどを読み「ファインマン」という人に興味を持っていれば楽しめると思う。
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