ファインマンよりかは、著者であるレイトンのトゥーバ(Tuva)に対する情熱が凄かった。すさまじい粘りと執着心、好奇心に引っ張られて一気に読了。米国とソ連の冷戦時代、今はロシアの一部であるTuva共和国に興味を抱き、何としても中央アジアのそこに訪れたい一心でファインマンと様々な挑戦をする話。たったこれだけのことを300ページ以上の本に綴っている。当時の米ソ関係を軸とした世界情勢が背景に描かれていて懐かしくも興味深かった。文庫本なのに写真が掲載されていたのもイメージが湧いてよかった。読んでいる最中にTuvaの衛星写真をGoogle Earthで見たけど、その様子はエピローグで描かれていた印象と重なった。
著者とファインマンはかなり親しい友人で、ファインマンの普段の人となりがよく描かれている。一方で「ファインマンさん 最後の授業」でムロディナウが描いているキャルテクでの悩ましくて弱々しい大先輩の物理学者としてのファインマンと時期がほぼ同じであるのに、こうも違う印象を与えるのか、と意外にも思う。