約4年ぶりの新作(通算15作目)。
ここ数作は、1曲目から鋭いリフでアップテンポに始まる曲を持って来ていたが、今作は曲の世界観を表現したと思われる雰囲気のあるイントロが2分半続き、そこへブルース・ディッキンソン(Vo)のハイトーン・ヴォーカルが切り込んでくるという、聴き手の意表をついたオープニングで幕を開ける。いや、逆にこの型にはまらない手法こそが、今尚、現役で前進するアイアン・メイデンらしいとも言えるのだが。大作趣向が強く、アルバム1枚を通して1つの作品となっていた前作「ア・マター・オブ・ライフ・アンド・デス」に比べると、本作は先行配信された「El Dorado」はじめ、独立した楽曲が集合し、1つのアルバムを構成している印象で、10分近い大作とコンパクトな曲をバラン良く配しているのは作風的に「死の舞踏」を思い出した。必聴曲として挙げたいのは「The Alchemist」で、コンパクトながら、こういった曲はファンなら「おぉっ!」という程、アイアン・メイデンのカッコ良さを凝縮した1曲だ。
アイアン・メイデンの場合、曲構成、コードや音階等の音楽的な要素のみならず、このメンバー6人が集まり音を合わせれば「メイデンの音」になってしまう程、個性的な独自のサウンド像が確立されているので、外側にいる人間(言い方が悪くて申し訳ないが)が、「あのバンドは、何十年も同じ事を繰り返している」と、いらん事を言っている記事を見掛けた事もあるが、ファンなら、前作より次のステップへ進化した本作のサウンドが、正しく御分かりいただけるはず。これらの曲が、ライヴで視覚効果も取り入れて披露されたら、更に凄い事になりそうだ。