5つ星のうち 3.0
タク・フジモトのダークな映像美は見事。, 2010/10/31
レビュー対象商品: ファイナル・カット [DVD] (DVD)
R・ウィリアムズ演じるアランは、セレブ愛用の「記憶チップ」の編集者だ。
葬儀の際、そこからいいとこだけを取り出して上映するので、記憶の編集者というわけだ。
編集者には掟があって、他人の個人情報をとんでもないレベルまで知り得るため、自身がチップを埋め込むのは禁止されている。
アランは数十年間この仕事を淡々とこなして来たが、子供の頃に負ったトラウマがあった。
それは、一緒に遊んでいた友達を目の前で失ってしまったことだ。なぜ助けられなかったのか・・・・。
しかし、アランは自分が知らないうちに両親がチップを埋め込んでいることを発見する。ここで掟破りとなるのだが、でも友達の死の
真相はチップから取り出せる。ストーリーを追えばこういうことだが、観る前はワクワクした。話が凄く面白そうだったからだ。
でも本編はどこかレトロ&チーピーな出来であり、雰囲気も近未来的というよりかは一時代前のSF作品を観ているようだった。
タク・フジモトのカメラは見事だったが、全体的に緊迫感に欠けるのが難点。
追悼上映会のアイデアは面白いが、これも似たようなシステムがハリウッド・フォーエヴァー墓地に既にある。
例えばセシル・B・デミルの映像を観ると、早川雪洲と組んだ初期の大作「チート」から、戦後の「十戒」まで、故人の業績が綴られる。
もとの発想はこれかな、と思うが、どうだろうか。
R・ウィリアムズ、M・ソルヴィーノ、J・カヴィーゼルら一級の俳優を揃えているのに、みな生彩を欠いていたのも気になった。
ダークなラストも個人的には合わなかったしね。星はギリギリ3つです。
7 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
どんな記憶も自由に編集, 2006/9/6
レビュー対象商品: ファイナル・カット [DVD] (DVD)
記憶を確実に残すチップが脳内に埋め込まれていたら
アランは友達のルイスの転落事故に罪悪感にさいなまれていた。そんな彼の仕事は編集者。それも脳内に埋め込まれたチップから死者の生前のストーリーを編集するもの。遺族の希望により悪い場面はカットして素晴らしい記憶のみを映像として残す。
そんなアランにもチップが埋め込まれていた。ルイスの記憶チップを探していた偶然見つけたものだ。両親がそれを伝える前に死んでしまい知らなかったのだ。記憶の編集者はチップが入っていてはならない。アランの最後の編集は自分の記憶チップから10歳の時の友人ルイスの事故の記憶をたどることだった。
なかなか難しい映画だ。遺族としては良い思い出を残したい。本人としても罪悪感にさいなまれた人生で死後飾られるより喜ぶかもしれない。しかし、悪いところをカットすると殺人者でも善人としての記憶が残る。それでは被害者の思いはどうなるのか。そんな問いを発してくる。なんとも答えにくい問いだ。
ロビンウィリアムスが女性に叩かれる場面があるが、これはマジで痛そう。ロビンウィリアムスは感動映画の主人公のイメージが強かったが、変質者やこの映画の様にシリアスな役もよく見る様になった。彼の役者としての幅が広がったと思うところなのだが、彼は感動映画の主人公であって欲しい思いもある。
10 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
驚きの仕事「カッター」、人の人生を覗く仕事, 2006/10/14
レビュー対象商品: ファイナル・カット [DVD] (DVD)
近未来、親が希望すれば子供の頭に埋め込まれたチップにその子の「人生」が「完全に記録」される。誰がこうしてこうなったなどというストーリーよりも、チップなる物の存在が意味する事態とはどんなものなのか、功罪取り混ぜていろいろな可能性を見せてもらったのだと受け止める。
アラン・ハックマン(ロビン・ウィリアムズ)は一流のゾーイ・チップ編集者として登場。いかなる内容を目にしても感情に流される事のない、ある意味非情な人間を好演。「カッター」とはいかなる商売なのかも良く判る作りとなっていた。
期待したジム・ガヴィーゼルの存在はアカデミー賞受賞俳優ロビンともども「問いかけ物語」全体の小さなピースの一つにすぎなかったが、不満は全くない。編集に使われる機械の名が「ギロチン」と言うあたりからも、作品からは「チップ人生」の哀しみが心に浸みてくる。
実に面白い設定。オマール・ナイームに投げかけられた問いにしばし考え込んでしまった。「私はお断り」。顔に刺青を彫るだろう。