本書は、そのファンドマネジャーの座を降りた直後の1989年に出版された原書『ONE UP ON WALL STREET』の邦訳である。翌年の1990年に日本でも出版されたが、2000年を期に「ミレニアム版への序章」が新たにつけ加えられて再出版された。その序章で「アマチュアの強み」が述べられていることからもわかるが、本書はリンチが個人投資家に向けて「基本的な情報と勇気を与えるため」に書いたものである。プロの投資家として成功の秘訣を余すところなく語る一方で、プロが買う株や市場の噂に惑わされず、アマチュアの優位性を遺憾なく発揮した投資法を説く。
そのなかでリンチは、「ピーター・リンチや他のプロが買っている株は無視しろ」と、ものすごいことを平気で言う。同様に「株で金儲けをするのに株式市場全体の予測をする必要はない」など、率直なアドバイスとその理由を明快に語る。また、投資の対象は、単純な事業をやっていて、退屈な名前ほどいいと言ったり、株式に成功する人を遺伝や環境のせいにする人について、「私の寝た揺りかごの上に株価ボードがあったわけではない」と言ったり、ユーモアのある話ぶりには飽きるところがない。
本書は「投資を始める前に」「有望株の探し方」「長期的視野」の全3部からなり、株の判断に役立つ数字の解説や株の分類による株動向のとらえ方、情報収集のポイント、ポートフォリオ、売買のタイミングなど、投資の基本から実践的な内容までが並ぶ。
ただ、本書はアメリカ市場に基づいているため、リンチの投資法をそのまま日本市場に当てはめて考えるわけにはいかない。しかし、本書から得られる投資の基本的な知識、考え方、心構えは普遍的なもので示唆に富んでおり、初心者だけでなく、ある程度経験を積んだ投資家にとっても得られるものは多いはずだ。(大角智美)
登録情報
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著者のピーターリンチは米国ではかなりの有名人らしい。色々本の中で株式投資の達人として紹介されている。日本でも有名な所では、「金持ち父さん・・・・」の中でも参考になる本として挙げられている。また、彼の運営したファンドは13年で25倍というすさまじい成績残している。まさに、生きる伝説といった感じだろうか。
私自身はこの本で紹介されている「業績回復株」に関する投資で一儲けさせていただいた。その意味で、この本をお薦めしないとばちが当たると思いこのレビューを書いている。
非常に読みやすい上に、著者のユーモアが随所にちりばめられているので、途中で飽きることもない。著者の飾らない人柄にも好感が持てる。成功者が書いた本だと、「私はこんな風に買ったんだ。えらいだろう」という感じが鼻につくものであるが、そういった感じはまったく無かった。
株で勝ちたければ読んでおいたほうがいい本だと思う。
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