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読んでいるうちに、だんだん暗くなってくる気がする。以下に、この世の中に無能がはびこるのが必然であって、避けられない運命であるのかを、これでもかと納得させられてしまうからだ。
しかし、この本の14章で述べられている「創造的無能」という考え方には、非常に注目した。もしも、自分がその気ならば、ピーターの法則から外れて、無能に達するまで昇進を続けるのではなく、有能さを発揮できる地位にとどまることは可能だという主張だ。そのために、自分がもっとも有能でいられる地位を得たなら、意図的に無能を演じて、その段階で昇進をとめてしまえばよいのだ。14章では、それを「創造的無能」と定義し、その具体的な方策と例をあげている。
どこまでも昇進を続けることを第一に考える価値観が、現実の人生や社会を支配しているように感じるが、この本を読んだ機会に、その価値観を改めて問い直して見るのもよい。
特に、現場から管理職になったとき、営業とマネジメントでは求められる能力の種類が変わるので、そこで無能レベルに達する人がかなりいると思います。有能で本人も楽しく仕事をしていた営業マンが、無能な管理職になるのは、本人にとっても周囲にとっても不幸なことでしょう。組織に作られたレールどおりに昇進すればいいというものではなく、むしろそれは無能・不幸への道かもしれない、ということを教えてくれる本です。現場では有能だがマネジメントには向いていない人は、現場専門というか、特命担当のような道を行き、そこで成功報酬を稼ぐことを目指すべきなのでしょう。
専門職になればさらにその傾向が強まるのではないでしょうか。たとえば医師のような専門的な仕事の能力と、病院(または病棟)の経営能力はまったく別でしょう。
組織が決めた通りに昇進の階段を上るのではなく、自分の適性と希望を見極めて創造的に職業人生を生きよう、という気持ちになれます。ピーターの法則自体はかなり昔にもっと学術的な著書のなかで提唱されたもののようですが、今の時代に合った警鐘・提言だと思います。
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