強い腹痛のため病院にかかり、内視鏡検査で胃潰瘍が発見されました。胃潰瘍のほとんどにはピロリ菌が関係していると知り、まず「敵」を知ろうとこの本を手にとりました。
ピロリ菌の発見の歴史から、その特徴、検査法、除菌法などが、効率よく解説されています。ピロリ菌研究でノーベル賞を受賞したマーシャルは、果敢にも自分でピロリ菌を飲んで、胃炎を発症することを確認したそうです! まさにノーベル賞を進呈したい、研究者の鑑ですね。
ピロリ菌は胃炎や胃十二指腸潰瘍、胃ガンなどの他にも、鉄欠乏性貧血や慢性じんましんなどとの関連も指摘されていることが説明されています。実際、私にも慢性じんましんがあり、それがおさまるのとほぼ同時に胃潰瘍を発症したという経緯があります。恐るべしピロリ菌。自分が知らないだけで、ピロリ菌がもとで体調不良の人は、実は予想以上に多いのではないかと思わされました。
健康保険の適用についての現状や、食品によるピロリ菌対策についても書かれていてとても参考になります。個人的には、最近よくピロリ菌抑制にいいと言われているマヌカハニーについても一言欲しかったと思いました。
著者は、決まりきった処方を繰り返すタイプの医師ではなく、原理に注目し、常に最新情報に気を配って改善を怠らない方だと思いました。専門的な本ではありますが、正確で、非常にわかりやすい良書です。このような、普通程度の医学教養しかない一般人にも分かりやすい本が、もっとたくさん増えて欲しいと心から思います。