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ピョンヤンの夏休み――わたしが見た「北朝鮮」
 
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ピョンヤンの夏休み――わたしが見た「北朝鮮」 [単行本]

柳 美里
5つ星のうち 3.2  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容説明

■作家・柳美里にとっての、もう一つの〈祖国〉朝鮮民主主義人民共和国。偏見にとらわれることなく、柳美里自身が見た「北朝鮮」の姿は何か。本人撮影による写真とともに綴られる、3度の訪朝を記録した本格紀行ノンフィクション。

■在日2世として日本に育った著者にとって、みずからのアイデンティティを探る試みは、これまで大作『8月の果て』で結実していたかのように思える。だが、そのルーツをさかのぼり、ベールに包まれた朝鮮民主主義人民共和国の内実を、自らの目で、肌で、足で追う作業は、彼女にとって当然の帰結だった。

■2008年から3回にわたって著者は北朝鮮を訪れた。2度目までは一人で、そして3度目は10歳の息子・丈陽、そして16歳年下の同居人男性という「奇妙な家族」で向かった。この作品は、柳美里のアイデンティティを探る記録であるのと同時に、〈家族〉と〈故郷〉の内実が解き明かされる刺激的なノンフィクションだ。

内容(「BOOK」データベースより)

16歳年下の同居人男性と、10歳の息子。奇妙な家族で向かった先は―。ベールに包まれた「北朝鮮」を辿るノンフィクション。

登録情報

  • 単行本: 290ページ
  • 出版社: 講談社 (2011/12/16)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062172488
  • ISBN-13: 978-4062172486
  • 発売日: 2011/12/16
  • 商品の寸法: 19.8 x 13.8 x 3.1 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.2  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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By Gori トップ500レビュアー VINE™ メンバー
全編が、柳美里(ユウ・ミリ)氏のセンチメンタリズムに覆われた旅行記である。
そのセンチメンタリズムはある種の希望的観測に支配されている。

柳美里氏(43歳)はかつて所属した東京キッドブラザースの座長、東由多加氏の思い出を胸に抱きながら、
子供と、現在の同居人である26歳の若者と共に”祖国”北朝鮮を訪問する。
そしてピョンヤンの市民を見て、こう確信する。
「この普通の暮らしをしている市民の笑顔が『サクラ』であるはずがない」と。

しかし私は思う。柳美里氏は『サクラ』のあり方を履き違えている。
『サクラ』とはこうだ。

香具師(テキ屋)が、啖呵売をする。そこにる『サクラ』が、いいタイミングで「安い!買った」と叫ぶ。
周りの客はそれにつられて我も我もと香具師の売りつける安物を買う。仕事が終わると香具師は
『サクラ』に何がしかの分け前を渡す。それは7:3だったり、8:2だったり、割前は『サクラ』のほうが
当然少ない。それでも『サクラ』は香具師に礼を言う。笑顔で。この笑顔は、本当である。
『サクラ』はついさっき、客の役を演じたわけだが、今は演じているのではない。
しかもそれからも演じる必要はない。演じなけえばならないのは翌日また始まる啖呵売の時だけだ。
いわば1;9の1だけが『サクラ』なのだ。

平壌の市民も、もちろん普段は9の部分の暮らしをしている。しかし、訪朝した私が声をかけたとき、
党の集会に出たとき、総書記が亡くなったとき、1の部分を演じることになる。
それは即ち『サクラ』だということなのではないか。
しかもその『サクラ』は、強制されてやる『サクラ』であり、洗脳されてやる『サクラ』なのである。
香具師の『サクラ』のように報酬になることはない。
やらないと大きなマイナスがあるだけの『サクラ』である。

2011年12月、金正日国防委員長がなくなり悲しむ平壌市民の映像が日本にも届いた。
その中にあった「金正日総書記が現地指導に訪れた際、乗ったエスカレーターのベルトにすがりついて
『金同志をもう一度お乗せしたかった』と号泣する百貨店の店員たち」は、『サクラ』ではないのか。

これは、柳美里氏のいうように「感情的偏見」なのか。

柳美里氏は「金正日チャングンニム」のニムをことさら「金正日将軍様」のように、様と訳すのは明らかにおかしいと指摘する
その理由として「運転手ニム」と運転手にもニムをつけるからだと言う。それはその通りだが、これは朝鮮を理解しようとした人なら、
誰でも知っている話である。

柳美里氏は本書の中でこう言う。
「(前略)知識を活字からしか得ないのは危険なことだと思う。(中略)自分の足で歩き、自分の目で見て、
 自分の耳で聴き、自分の頭で思考する。思考の結果、誤った意見に到達したとしても、他人が書いた知識を
 頭の中に集めて正しげな意見を述べるよりは、百倍マシだと思う」
たたみかけてくる文章なので、つい「うん、そうだ」とうなづいてしまいそうになるが、この文は明らかにおかしい。
「誤った意見」は誤っているからである。

私は、「他人が書いた知識を頭の中に集めて」平壌市民のあるイメージを抱き、「自分の足で歩き、自分の目で見て、
 自分の耳で聴き、自分の頭で思考する」為に平壌を訪れ、「思考の結果」平壌市民に悲しい『サクラ』を見たのである
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筆者の自己愛の強さを感じる。私は柳美里の他作品をほとんど読んでいないので、他作品では、どうなのか分からないが、この独特の自己、肉親、朝鮮・韓民族に対する情念についていけず、読み進むことに没入できなかった。私は、朝鮮民主主義人民共和国に対する関心からはいったが、朝鮮民主主義人民共和国に対する関心からではなく、柳美里に対する関心から読み始めるべき作品だと思う。
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By rosso
柳美里氏の著作はかならずしもと言っていいほど賛否両論分かれるものであるが・・・。

東由多加氏の死後の作品は、わりと筆致が落ち着いてきたように思う。
この作品も韓国籍ならではの柳氏ならではの視点があり、たまたま2012年が金日成主席生誕100年、そして金正日急死という(これは書いている間は予期していなかっただろうが)事件があったから、このさき国際情勢的に朝鮮がどうなっていくかということを知るきっかけにはなると思う。

ただ他国の人間が「北」でどんな宿に泊まれるのかどうか、食料面はという疑問はあるが、
「思ったより北のひとも普通じゃん」というのが私の見方である。
それはこの本に載せられている写真からもうかがうことができる。
そして朝鮮でなくても、生まれた土地のルーツ(柳さんは北のひとではないけれど)を知りたいというのはアメリカなどの国でもみられる生理的なものであって、それは単なるノスタルジーではない。
それは私がちょうど韓国人が多い土地(北の人も南の人も)に住んでいるせいかもしれない。

印象的だったのは板門店の場面で、
「韓国側のほうがチェックが厳しいこと」
私は当然韓国側からしか板門店に行ったことがないので、確かにちょっと怖かった記憶はあるが、北側がどんな対処をするかはこの本からではなかなか伝わりにくい。

そして「ウリヌン ハナ」。
やはりどちらに住む人も同じ民族だから手をつなごうという考えは、庶民にもあるのだ。
昔は、日本も隣の国なのにハングルや日本語ではなく、英語でコミュニケーションしてたもの。
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