冬の凍てつく空気と穏やかな景色が浮かんでくる「ピアノ」。ピアノの音は鳴っていないのに、ピアノの旋律をイメージさせるような名曲だ。音数はシンプルに抑え、チバユウスケの声と美しいメロディがじっくり響いてくる。
そして断片的な詩。ピアノの一音から始まる音楽。まるで無から旋律が生まれる瞬間が感じられるような、The Birthday史上最も美しい曲ではないだろうか。
しかしPVを見ると、またそのイメージに別の感情が宿るような、深い物悲しさがこみ上げて来る。そこも含めて名作。
またカップリングはCMでも話題の「HUM69」、衝動的なロックンロール「いとしのヤンキーガール」と充実の内容。聴き応えも抜群。
メッセージを高らかに歌った前作「愛でぬりつぶせ」。そして音楽そのものに向き合った「ピアノ」。さらに"ゼロの先"に向かう「ディグゼロ」。なんだかThe Birthdayはどんどん無駄なものを削ぎ落とし、より深いロックや音楽の本質に近づいているように思える。
もうアルバムが楽しみで仕方ない。