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ピアノを弾く身体
 
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ピアノを弾く身体 [単行本]

岡田 暁生 , 近藤 秀樹 , 小岩 信治 , 筒井 はる香 , 伊東 信宏 , 大久保 賢 , 大地 宏子
5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

セロニアス・モンクのピアノはなぜあんなに人を惹きつけるのか? 「音楽すること」の快感が全身から発散されているからだ。クラシックの音楽家も、もちろん、身体的な快感(官能的なほどの)を感じながら演奏しているはず。
だが、特に日本では、弾き手も聴き手も実に禁欲的だ。見過ごされてきた身体感覚に向き合うことで、音楽の本質的な何かを再発見できるかもしれない。
ショパンの左手の凄さ、リストの華麗なフレーズの合理性……本書の書き手はみな研究者だが、それぞれ達者な弾き手でもある。
「演奏する身体」の視点から、研究と実践の間の溝を埋め、ともに音楽する喜びを取り戻すこと--これが著者たちの共通の願いである。音楽を聴く人、弾く人、教える人、研究する人……すべてのクラシック関係者に読んでほしい1冊。

内容(「BOOK」データベースより)

鍵盤に触れる指、身体全体に共鳴する響き。官能的なほどの快感こそが弾き手と聴き手をともに音楽の愉楽へ誘う。演奏する身体を介して実践と研究を繋ぐ新しい音楽学を目指して。

登録情報

  • 単行本: 300ページ
  • 出版社: 春秋社 (2003/4/1)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4393931637
  • ISBN-13: 978-4393931639
  • 発売日: 2003/4/1
  • 商品の寸法: 19 x 13 x 2.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.3  レビューをすべて見る (3件のカスタマーレビュー)
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14 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
弾き手の身体から作品を眺めると何が見えるのか,を前半に,超絶技巧のおもしろさ,を後半に,あっさりと紹介した一冊。
弾く指の,身体の,特性もまた,作品を構成する重大な要素だという観点から,いくつかの作品を読み直している。しかし,観点の紹介に重きをおいており,作品理解に深い何かがもたらされるところまでのものではない。特に,その観点は,作品の構造との関係,作曲者の意図との関係を見るにとどまっており,それらは弾けば気づきうる程度の言及が多く,ピアノ弾き同士で「あるある」と言い合っているだけの感を残した。ただし,諸学との交流を通じるなどして,どんどん面白い話に展開できる分野であることは十分に実感できた。
後半のヴィルトゥオーゾ論は,言及されている演奏を思いながら読めば,ウヒョヒョヒョと笑い転げながら読めるもの。超絶技巧の楽しさを存分に語っている。
ただ,(ハイフィンガー論での浅すぎる歴史観なども含め)こんなことばかり読んでいると,身近な社会問題を眼前にすると,それがどうしたというのだろう。。。と思わずにはいられないほど,音楽の内へ内へと,ちょっと篭りすぎのように思える一冊ではありました。
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面白い 2011/8/17
形式:単行本
後半のホロヴィッツの分析が特に面白いです。サーカスの綱渡りにたとえれば、あっさり渡ってしまうのではなく、わざと落っこちそうになったふりをして観客をドギマギさせる、というようなお話があって、まさにそのとおりだと思いました。

ピアノは、弾けたらいいな、くらいの軽い関心しかありませんし、楽譜も読めないのですが、この本は専門的な話とそうでないところがはっきりしているせいか、分かるところだけ読むという読み方がしやすく、内容も十分に面白かったです。

ピアノに親しみがわいて、いつか習ってみようかなと思いました。
このレビューは参考になりましたか?
8 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By kahon VINE™ メンバー
形式:単行本
春秋社は、時に専門書をこのような形でひょいと出版するので面白いが、この本はある意味、素直なクラシック愛好家、一般読者向けとは言い難い。
専門家以外の人間が読めば、この本の論点は当然と思うことの焼き直しにしか見えないかもしれない。
従ってそちらからの評価が低いのは致し方ないと感じる。あまりに、当たり前のことの専門的な解析本である。
しかしまた、演奏家としてこれを読めば、これは立派な専門書で、非常に良書であった。何故音楽の友社から出版されていないのかがいぶかしくすら、思われる。

この本の読後感のこうした溝は、現代の音楽学というアカデミックな学究世界と、ノーマルな奏者聴衆の立場というものが、いかにかけ離れた存在となってしまっているのか、ということの現われでもあるだろう。…つまり、奏者聴衆にとって素直に当たり前でしょ、と感じ取られるものが、アカデミズムではタブー視されている、ということだ。
弾く・聴くという音楽への対応の現場の立位置が、いかに楽譜上だけの机上の論評とかけ離れているか、これはアカデミズムにも関わらざるを得ない奏者にとっては、由々しき混乱の事態でありながら、日本の音楽学者の世界は奏者のこのような、「楽曲と演奏身体の感触にある、素直な関係態度」をずっと、頑なに拒んできた現実。
これに対して、この著書の内容は、音楽学や、それに伴ってある教育、演奏会批評などに繋がるあらゆるアカデミックな世界に、画期的な意見提示を打ち出していると感じる。

もともと演奏者にとっては、身体の運動につながるものは、本来楽譜と楽器の間から起きる、生理的であり、当然のあるいは自然のことだが、これを理論化したケースは現代では目にしない。弾くという動作によってしか感じ取りえない楽曲への学問的視点、そこにこそ秘められている、楽曲分析の一面と、その限りない重要性を感じつつも、そのたびにアカデミズムのタブーにぶつかる違和感…。間違った動き、嫌な身体の動かし方、などという言葉は残っているというのに。。。笑
新聞評論などを見かけるにつけ、あるいは、「情操教育」と名目付けられた日本のスポ根的な”楽しくない”音楽教育のシステム、スノッブな空気すらある聴衆のハイソ感覚の中では、音楽学から身体要素論が排除され、音と体の関係を遮断する傾向が長く強かったがゆえに、日本ではそれこそが逆に音楽通、アカデミックなスタイルであることの必須条件であるかのようにすら、感じられる。唯物的な論理にそぐわないことも関係しているだろうし、現代のピアノの大量生産、音楽学者の学者ではあるが演奏はしない、という専門の分化、日本への西洋音楽の輸入歴など歴史的な要素と変化が絡んできているからだろうが。
このような状況に対し、音楽学者自身が、奏者として楽譜に向き合い、作曲家固有の楽曲情緒を指先や腕に直に感じ取り、そこから理論を再構築する、という冒険的な、しかし必要不可欠と思われる部分への、素直な立ち入りの再開。これは、全く画期的であり、奏者にとって、また、聴衆にとって、日本のクラシック音楽観を根底から、総体的に変えてゆくものかもしれないとすら思う。

演奏者もそれによって、自分の練習方向、技術方向、解釈方向、などに、一種の抗い難い古くからの捉われがあり、本来の楽曲の持ちうる魅力の何がしかを、アカデミックであろうとすればするほど、どこかで理性的に身体から排除してしまうしかなかった。(身体がそれをサインのように、楽譜から感じ取ってていても)
そういうトラウマ的な音楽観を、根底から、もう一度ロマン派時代までに帰りながら掘り起こし、良い土に改良してくれる、そんな大切な視点に出会えたように思う。
演奏することから起きる様々な奏者の立場のドラマから、作曲者の当時意図した音楽を、身体の在りよう(指の動きの癖、姿勢、それに伴う呼吸感、テンポの調整具合、音律やダイナミックレンジの感覚など)から探る、音楽学の再び目覚めるべくして目覚めた視点が、ようやくこうして現れ始めたことを、一ヴァイオリンプレイヤーとして嬉しく思った。この学問は、この新しい視点により、音楽史、楽器史、チューニングの歴史、奏法史など、多くの分野に発掘の余地と影響を与えてゆくことになるだろう。
筆者が言うように、これはピアノよりも弦楽器で語るほうが、より効果や実感は確実に増す分野であろうが、多くのひとがふれるのはやはりピアノであるのだから、これでよいのでは、とも思う。
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