調律という観点から、平均律の意味について、興味深い内容になっている。
これから、調律師になろうとしている人だけでなく、ピアノを弾き、ピアノを聴くすべての人に知っていて欲しいことが書かれている。
音楽が何故、数学と仲良くできていないかの根源的な問題を浮き彫りにしようとしている。
平均律は、倍(2)音を、オクターブ(8)、12音でどうやって区分するかという、一面では非常に数学的な問題に取り組んでいる。
それは、波という物理的な現象に関係し、共鳴、共振という現象と、うなりという現象に着目している。
原書は、The Seventh Dragonというタイトルで、7番目の龍が音を好むことから命名されていると推測できる。
原著者が、これを日本の「南総里見八犬伝」から取ったとされている。
これについては、訳者は、著者から詳細な情報収集をしている。
訳者は音楽、中国文学の専門家でないためか、用語、解説がやや物足りなく、原書を読んで、もう少し、詳しく知りたいと思った。
龍の話は、もとは中国の民話であり、龍生九子という話である。
興味深いのは、数と音楽についての本で、2、3、5、8、12という数字がでてきて、その本のタイトルが7であり、それは8にまつわる日本の文学で引用している中国の9にまつわる伝説によるものであることである。
整数と音楽の幅広いかかわりが、アメリカ、日本、中国から新たに始まることを期待する。
ps.
この本に興味を持った人には、T.E. カーハート著「パリ左岸のピアノ工房」という小説が、いろいろなピアノについて知ることができるのでお勧めしたい。