ピアニストというタイトルとイラストに引かれて、初めてこの作者の本を購入したが、昨今、ここまで大失敗だと思った本も珍しいと苦笑するしかなかった。
そもそも、設定からしてこの本は成り立っていない。
名だたる国際コンクールでの入賞歴を持つほどのプロのピアニストなら、当然、コンサートに同行するマネージャーやスタッフがいるはずだし、現地のプロモーターもいなければならない。
この本にあるような事故が起きた場合、それらの人々が対処して即刻帰国となるはずで、この本の設定だとここで話は全て終わってしまう。
だいたい、今時、観光客でさえ傷害保険をかけるのが常識なのに、プロのピアニストが何の備えもなく海外へ渡航するなど考えられない。
いったい、著者は何を持ってこの本の設定を考えつき、編集は何故にこの本の設定でOKを出したのか、お金を払って本を購入した一読者としてできれば直接問いただしてみたいとさえ思ったほど呆れた。
この本を読み終わってから検索してみたら、著者は以前にもガイドブックレベルのミスを連発している本を出していた。
その教訓を何一つ活かす事もできずに、今回のような本を再び出版した著者と編集に怒りさえ覚えた1冊だった。