簡単にまとめるとジャズやロック、ポップスなどの特定ジャンルに固執されず
筆者本人独自のやり方(メジャーブルーススケール)等も織り交ぜた現代的でオールジャンル対応な良書です。
表記がピアノ向けになっているだけで、それ以外の楽器の方も十分実用に堪えると思います。
「なぜ音楽においてアドリブが成立するかは分かるが、スケールが分からないので実際には自分ではあまり出来ない」レベルの方
「作曲をする上で、メロディラインにちょっと変わった音程を使ってみたい」のようなニーズの方に最もお勧め出来ると思います。
この本を読むことで最も大きなメリットは
「闇雲にスケールを丸暗記して活用するのではなく、スケールはペアレントスケールを元に組み立てられるもの」ということが理解できます。
すなわち、やたらたくさん丸暗記するのではなくある程度ペアレントスケールを覚えてしまえば、そこから再構成して本を参考にせずとも別のスケールを導き出せるようになります。
加えて本の最後のほうでTipsや実際のスケールの活用法もありますので、ただ投げやりにスケールを紹介してる本より明らかに実用的です。
スケールブックとしてスケール・モードとは何?という所や
短9度がアボイドである、とアドリブをしていく上で必要最低限な知識から始まり
スケールを「ファミリー」ととらえる方法(ペアレントスケールという考え方はリディアンクロマチックコンセプトでしょうか)
テトラコードという考え方を採用している点も面白いですね。
そして何より、機能和声としてのアドリブとモーダルなアドリブ、それぞれ2種類のアプローチの方法で実例が挙げられているのは素晴らしいです。
また、ハーモニックメジャースケールファミリー、シンメトリックスケールファミリー、その他世界の音階まで
割とマニアックなところまで網羅されていますので、長いこと愛用できるでしょう。
この本を必要とされる方は、必要最低限なジャズの理論・手法を勉強されている方でしょうから
初心者では理解し難いかもしれません。ただ将来的に持っておいて間違いなく損はしないと思います。
付属CDはテキスト内に現れる例譜を演奏した物ですので音の確認程度だと思ってください。
初見で演奏できるレベルの方はCDは不要と感じるでしょう。
尚、公式WEBにて「038ページ、C IonianがD Dorianになっている」という誤りが報告されています。
加えて私が発見した誤り76ページ「C Phrygianナチュラル6th」のスケールにて
右側のピアノ鍵盤実例本来「B♭」であるところが「Bナチュラル」になっていますので注意してください。