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29 人中、29人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
情熱の源は,
By toyoji (近畿) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: ピアニストが見たピアニスト (単行本)
日本人ピアニストによる6人のピアニスト譚であるから興味深い。個人的に交友のあったピアニストらを書いているから悪く言えば主観的。だが、彼らとの交流無しに、ここまで寄り添った内容は書けなかったに違いない。君はピアノが好きじゃないね、と言われ、『私は音楽の方が好きなんです』と答えるリヒテル。 飾られていた花から出る湿気が楽器に影響するから撤去せよ、というミケランジェリ。 膨大な記録をもとに、詳細なリサーチを重ねた後がうかがえるそれぞれの逸話が、個性を持ってキラリと輝く。 何よりも圧巻なのは、それぞれのピアニストの奏でる音や、演奏時の精神状態の描写。「すべてを掴み取って内側に叩き込んでいくような」「演奏という時間の流れを通して美と並走している」など、ピアニストであるからこそ文字で立体的に表現できるのであるのかもしれない。 個性が強く、バックグラウンドや生い立ち、音楽に対する考え方がユニークで、面白かった。それぞれが抱く、音楽に対する情熱が、彼らの生き様に反映されて様様な人生をたどっているのが興味深い。 巻末にはそれぞれのピアニストのお勧めCDリスト付き。 ピアノを習っていない人でも伝記物として楽しめる。ステージピアニストの横顔を知り、天才と呼ばれる人々苦悩が感じられる一冊。
31 人中、28人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
丁寧な下調べを土台にした説得力ある評伝,
By
レビュー対象商品: ピアニストが見たピアニスト (単行本)
リヒテル、ベネディッティ=ミケランジェリ、アルゲリッチ、サンソン・フランソワ、バルビゼ(著者の師)、ハイドシェックの6人について、関係者の話を聴き、様々な資料も使い、大変興味深く一気に読ませる。「同業者」ならではの観点から述べられた箇所は、アマチュアにも理解・共感できる記述である。おかげでこれまで上記ピアニスト達に抱いていたいくつかの「もやもや」が、大分すっきりした。いわゆる「音楽評論家」の商業主義的迎合や批判のための批判、知識先行の鑑賞軽視(!)横行にうんざりすることの多い中、きちんと聴いて書いてあり、ピアノの奏法を説明している点は大変ポイントが高い。文章も読み易い。ピアノ好きなら読んで後悔することはないだろう。
5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
音楽批評とリアリズム,
By 春日 鴻堂 (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: ピアニストが見たピアニスト (単行本)
ドヴュッシーの研究でフランスにおいて博士号を取得してしまった著者。その学識とピアニストとしての経歴から、語り継がれる名ピアニストたちを評する。 リヒテルの分析が細かなテクニックから精神面にまで及んでおり、 同氏を敬慕する僕は面白く読んだ。 ミケランジェリも同様に。 アルゲリッチは現在進行形で追い続けている「対象」であり、 この項目は面白いばかりでなく今後の続編が楽しみ。 また、ピアニストによる記憶力の問題、 すなわち暗譜の事情には様々な葛藤があるのだと、改めて思い知らされた。 ピアノが弾けない僕にはこのようなことすら面白い。 著者による「基本」の提示とソリストたちの事例の提示が手堅い。 このような細部の積み重ねが本書に厚みをもたらしている。 著者のピアノ演奏には一抹の「クセ」がある。(特にラモー) 本書における文章もうまいけれど「クセ」がある。好みのわかれるところだろう。 音楽評論にはとかく曖昧さが付きまとうので、 現役の演奏家による批評は貴重ではないかと思う。
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