「ビー・ユアセルフ・トゥナイト」はそれまでのユーリズミックスのイメージを大きく変えた一枚だ。以前からもアン・レノックスのボーカルの非凡さはそこここに現れていたが、本作品はそのボーカルを最前面にフィーチャーした意欲作だ。さらに心強いことに、スティービー・ワンダー、アレサ・フランクリン、エルビス・コステロらの協力を得て、アンのソウルフルなボーカルは終始高いテンションで維持されている。まさにアルバム全体が、プラスのエネルギーに満ち溢れているといえるだろう。そのほとばしるエネルギーを感じさせながら、#3や#7、#8、#9といったユーリズミックスらしい曲も収録されており、起伏のおもしろさの点でも申し分なく、そのあたりはデイブ・スチュワートの手腕を感じる。ぐいぐい押すボーカルで最初から最後まで一気に聞かせてくれるが、とくに#2「ゼア・マスト・ビー・アン・エンジェル」のさわやかにして伸びやかなボーカルは聞くものに希望を与えてくれるようで、この一曲だけでも聞く価値はあると思う。