ジョニー・デップとの一連のコラボ作の大ヒットで、今や日本でも人気監督となったティム・バートン。今作も、amazonの廉価版売れ行きRANKで絶えず上位をキープしているようだ。飛び切りキッチュで魅力的だが、極めて異色でオタクっぽさが充満しているこのホラー・コメディ、日本では正月映画として89年に公開されたものの大コケした事を思うと、つくづく時代は変わったと思う(ムロン、良い方向に〜笑)。実物の住宅地をなめまわすような俯瞰ショットが、ズームすると、ミニチュア模型であったことが分かり、最後に屋根からクモが這い出してくるオープニング・シーンを手始めに、全編、ビザールで、ユニークかつダークとしか言いようのないバートン的イマジネーションの世界が炸裂する。ハロウィンには縁遠いこの国において、人によっては悪趣味でグロテスクな対象としか思えないキャラクターたちを、可笑しく、時にはファニーな存在にしてしまうのは、バートンの真骨頂だ。とは言え、ハエと格闘し、ゴキブリを喰らい、不衛生で、うざいビートル・ジュースは、さすがに、キャラが強烈過ぎるが。余談だが、バートンは、当初この役をサミー・デイビス・Jrで考えていたと言う。結果的にマイケル・キートンが怪演、今作の成功が、次作の「バットマン」のブルース・ウエイン役抜擢となり、ファンの一連のバッシング騒動へと続いていくが、キートンの名演によって、バートンの目のつけどころの素晴らしさと確かさに、当時感心したものだ。感心と言えば、今作で最も印象的な楽曲であるハリー・ベラフォンテの「バナナ・ボート」、あの選曲も、ダニー・エルフマンではなく、実はバートンだったそうだ。