サーカス団で雑用をこなしている雑種犬ビンゴは、花形犬プードルの
代役として曲芸をすることになるが、火のついた輪をくぐり抜けること
が出来ずに、団から追い出される。自由になったものの、行くあても
ないビンゴは、ある日、チャッキーという少年(ロバート・J・スタインミラ
ー・Jr.)と知り合い、親友になる。チャッキーは、ビンゴを隠れて飼う
が、それも束の間、一家はビンゴを置いて引越し。ビンゴは、必死で
チャッキーを追いかけるが…。
『
続・激突!/カージャック [DVD]』の脚本や『
ニューヨーク東8番街の奇跡 【ベスト・ライブラリー 1500円:ファミリー映画特集】 [DVD]』
の監督など、スピルバーグ関連の作品で活躍してきたマシュー・ロビ
ンスによる動物もの。主演(?)のビンゴは、劇中ではオスという設定
だが、実際はメス。
『
名犬ラッシー/家路 [DVD]』から『
ハンボーン [DVD]』に至るまで、
犬ものの定番であるストーリー―飼い主に再会するために苦難の
旅を続ける―を踏襲した本作。愛する者へ一直線というテーマは、
いかにもロビンス的とは言え、それにしても、犬ものとは驚きだ。お
そらく、本作が、数多ある犬ものと一線を画しているのは、直球の
感動路線を避け、(犬ものの)パロディ風にしている点。そして、犬
を擬人的に扱っているところからすると、ロビンスとしては、実写版
カートゥーンのようなもの、もしくは、1930年から31年にかけて、M
GMで作られた犬もの短編パロディ”Dogville”シリーズ(日本では
『
ブロードウェイ・メロディー 特別版 [DVD]』の特典として一編収録)
のようなものをやりたかったのかもしれない。
ドッグ・トレーナーの腕ということになるのだろうが、飼い主の元に
戻る途中、ビンゴが裁判の証人になったり、投獄されたり、レスト
ランの皿洗いをさせられたり…、その波乱に満ちた人(犬?)生は、
楽しく描かれていて飽きずに観られる。動物好きには、ビンゴの不
器用ながらも、甲斐甲斐しく、健気な姿に思わず目を細めること必
至。これは、もう理屈や計算ではない(自意識というものがない)動
物の愛らしさだ。ただし、動物好きでないと、子ども騙しの作品に
映り(実際、平均以上の出来ではない)、正直退屈してしまうかもし
れない。このあたりは、犬を含め、動物ものの宿命だろう。
ビンゴが主役ということもあり、俳優は、チャッキー役のスタインミ
ラーJr.以外、それほど印象に残らないのが残念(戯画化された変
人が多いのだが)。彼を取り巻く家族の温かさとは無縁の態度も、
作品全体のどこか冷ややかな雰囲気につながっているかもしれな
い。ビンゴだけでなく、こういった人間側の描写にも、もう少し力が
入れられていたら、小品ながらも忘れ難い作品になったのではな
いだろうか。何となく、メリハリに欠け、中途半端な作品に終わっ
てしまうのが、(脚本家としてではなく)ロビンスの監督作の特徴だ。
本DVDは、91年という比較的新しい作品ということもあり、若干、
暗く、くすんだ感じの色調だが、画質も良く、音質もに特に問題な
し。日本語吹替えも収録。特典はなく、他作品の予告編集が収
録。