『絶対音感』『青いバラ』『星新一』の著者が、12人の日本人研究者に対して、業績と
研究意義だけでなく「なぜ科学者になったのか?」を聞いたインタビュー集。
学術的な話も興味深いものが多い(12人の分野はバラバラなので特に)ですが、それ以
上に心に残ったのが、研究への真摯な姿勢。
「始めるのに遅すぎることはない」
「たとえ医者から余命三ヶ月と宣言されても、今の生活を変えることはない」
「(自分が作った人工衛星が打ち上げられた際に)結局ぼくは子供のころからこれがや
りたかったんだよな」
こんなことを言える仕事って、うらやましいです。
更に、未来の研究者へのエールを強く感じさせてくれる本でもあります。
「若い研究者には、既成事実になっていることを一歩引いたところから見て、疑問を持
てるひとになって欲しい」
「疑問を持ったら、そこで文句を言って終わるのではなく、なぜそう考えるかを細かく
見ていく寛容さを持つこと。その上で、ではどうすべきか、別の方法を考えて議論を構
築していく。建設的な議論を行うことができれば、人間の知的作業はずいぶん違ってくる」
「すべての世代には、前世代よりも高い見地から、新しい世界を見るよう心を開く義務
があります」
「宇宙探査には、いつも向かい風が吹いているんです。その風を避けるのか、それとも立
ち向かっていくのか。立ち向かう覚悟をしたら、一緒に戦いましょう。宇宙を目指す学生
にはそう伝えたい」
情緒性を排除した淡々とした文章が、逆に、研究者のこれまでの研究人生と想いを情緒
たっぷりな物語として聞かせてくれます。