セキュリティに関する専門家たちの論文集。寄稿が章単位でまとめてあり、全16章のため、16の論文が収録されている。日本語版にはオリジナルの論文として、「生体認証技術:からだで守るセキュリティ」があるため、全部で17の論文となっている。
電子商取引に対する提言・オンライン広告の詐欺・ログなど、セキュリティに関わる周辺知識を拡大できる論文が収録されている。ハニーポットは誰でも知っていると思うが、その対比語であるハニークライアントに関する論文なども収録されている。また、セキュリティとシステムの開発ライフサイクルとの関係、あるいはセキュリティと弁護士との関係などを取り扱ったものもある。その一方で、ありきたりな無線ネットワークのセキュリティに関する問題を指摘したものや、土壌の全く異なる医療の計測指標と比較して、セキュリティが劣っているといった自己満足の論文などもある。著名人としては、PGPの生みの親であるフィル・ジマーマンがジョン・カラスとの共著で、「信用の輪を進化させてきたPGP」を著している。
セキュリティを幅広くカバーした単なる読み物であって、日常の実践面ですぐに使えるといった内容ではない。日頃からシステムのセキュリティに携わる人にとっては、自身のセキュリティに対する思考をブラッシュアップするのに役立つかもしれない。