38歳、いつの間にか「昔」や「若い頃」といった言葉に抵抗感がなくなった。40歳、中学一年生の息子としっくりいかない。妻の入院中、どう過ごせばいいのやら。36歳、「離婚してもいいけど」、妻が最近そう呟いた……。一時の輝きを失い、人生の“中途半端”な時期に差し掛かった人たちに贈るエール。「また、がんばってみるか」、心の内で、こっそり呟きたくなる短編七編。直木賞受賞作。
登録情報
|
|
あなたの意見や感想を教えてください:
|
||||||||||||||||||||||
|
最も参考になったカスタマーレビュー
51 人中、47人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
65点の1日,
By エドブラウン (神奈川) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: ビタミンF (新潮文庫) (文庫)
重松清の書く物語は「65点の1日」だ。1日の合格点を50点だとするなら、 僕らのすごす毎日は、おそらく45点だったり56点だったりする。 でも、人の記憶の中に残るのは “恋人にふられた10点”の日や “子どもが生まれた95点”の日なんだろう。 中途半端な日のできごとは、忘れてしまう。 その、普通の人が忘れてしまう「65点の1日」を 重松さんは思い出させてくれるのだ。 息子が少し大人にみえた日、 愛想をつかしかけていた自分を少しだけ見直した瞬間、 ひさしぶりに家族写真をとったいきさつ、 65点のある1日だからこそ持っているリアリティーが、 色んな場面で、僕らの胸を気持ちよく締め付ける。 この重松さんの作品は、 何でもない日に近況報告を含めてムダ話でもしたくなる 兄弟のような小説だと思う。
12 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
がんばって生きていきましょう!,
By
レビュー対象商品: ビタミンF (新潮文庫) (文庫)
30代後半から40代にさしかかった普通のサラリーマンであり父親。東京郊外の住宅街にあるマンションか小さな一戸建て住まい。妻がいて、思春期にさしかかる小学校高学年から中学生、高校生のこどもがひとりかふたり。職場では成功しているわけではないが地道な中間管理職として働き、自分の人生の枠組みが今の延長にあると決まりつつあるような感慨を持ち、「もう若くない」と自覚しているといった主人公たちの造形に限りない共感を覚えます。「ナイフ」では著者は子どもの視点を忘れていないと感じましたが、本作ではこんな父親像を愛着をもって描き出しています。 家族がぶちあたる、子どものいじめや娘の異性交遊といった問題もまたどこにでも起こりそうな問題です。明確な解決がなされないのもまた現実の反映でしょうか・・・。 どの作品もどこかしら明るいのは、いろいろなことがあっても、解決されない問題があっても乗り越えていこうという声高ではないけれども、前向きのメッセージを感じることができるためでしょう。
9 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
昭和30年代~40年代生まれ世代におすすめ,
By
レビュー対象商品: ビタミンF (単行本)
自分にとって重松氏は同時代(30歳代後半から50歳まで)の代表的書き手として、最も生活感覚的にピッタリくる存在である。小中学生の子供のいる、ごく平均的な、バブル崩壊後の日本のサラリーマン家庭に起こる、ごくありふれた日常。自分が育った景気のよかった頃(昭和40年~50年代)と違って平成不況に成長するわが子たち(実際は学校でいじめられながらも生徒会長に立候補する娘、不良仲間に悪事に荷担させられる息子など)にエールを送る父親の視点から書かれたものや、大学時代の女友達とかわした、たわいない約束を大事にしまっている中年モラトリアム男など、おもわず「そうそう」とうなずいてしまいそうになる。家庭に満足を得られない新米中年世代のこころ模様が上手に描写されていて、共感を呼ぶ。FはfamilyのFです、念のため。
あなたの意見や感想を教えてください: 自分のレビューを作成する
|
最近のカスタマーレビュー
5つ星のうち 4.0
現実ぽさがいいです
いやー良かった! 短編集だということを忘れてて最初の一作目を読んで、 短編集だということを思い出して、... 続きを読む
投稿日: 4か月前 投稿者: ざやざやす
|
|
この商品のクチコミ一覧
クチコミを検索
|
関連するクチコミ一覧
|
|
|
|