二匹(三匹?)めのどじょう、凡庸、ケースが古い、あと付けだ、などネガティブなレビューが散見されます。しかしその点を指摘することは本書の正しい読み方とはいい難いように思います。本書はケース分析をしている研究書ではなく、株式運用成績や当時の経済記事(今の経済記事をレファレンスしていれば確かにあと付けですが)などを元にメタ解析を行い、過去偉大であったにもかかわらず転落していった企業を抽出しています。つまりケースが古いという意見は、メタ解析のデータに対しては的外れな指摘となるでしょう。
本書は経営を科学した、いわゆる学術書に位置づけられる書籍ですが、これを経営How to 本として読んでしまうとその価値の半分も理解できません。すぐに答えを知りたいのであれば巷の経営指南書を買い求めればよいと思います。
では学者ではない我々ビジネス・パーソンは本書を読んで何を吸収できるのでしょうか。実務者としては、コリンズ先生の導き出した法則を自分の環境に相関させて、ここで語られる教訓を理解する必要があると思います。それには読み手が自分の環境に置き換える、応用力、発想力が必要になってくるのだと思います。他のレビューにもありましたが、企業の衰退の法則はビジネス・パーソン個人の衰退の法則にリンクしていると捕らえました。自分のキャリアが衰退に向かっていないか、どうすれば転落から反転できるかというヒントがもらえるという点でも参考になりました。