内容紹介
古代から現代にいたる長期的視点で部落問題を概観。写真、図版を多用しフルカラーで視覚に訴える内容は、部落史学習をはじめ広く活用できる。2006~8年に刊行された『ビジュアル部落史』全5巻(大阪人権博物館編刊)の合本。
出版社からのコメント
近年、新しい資料の発見や、これまで明らかにされてきた資料の読み直しなどによって、部落史研究は、成熟してきています。 たとえば、前近代の身分制社会と被差別民との関係は、生業や生活空間などまったく新しい観点から詳細な具体像が描かれています。また、明治維新によって新たな国家ができたことにより「四民平等」社会の実現が可能でしたが、現実には、あたらしい価値観や秩序のもとで、部落差別は再生産されていったことも数々の事例で明らかにされています。 こうした古い身分、居住地そして職業によって部落を排除していこうとする日本社会に対して、部落の人びとや多くの支援者が反差別の思想を打ち出して立ち上がりました。部落改善運動、融和運動そして水平運動と、その考え方や闘い方はさまざまでしたが、不当な部落差別をなくし、平等を手にしようとする点ではその運動も同じでした。 そしてその流れは、アジア・太平洋戦争後の部落解放運動となって受け継がれるとともに、部落の人々は、多様な仕事や文化などを通して生活を営んできました。 本書は、部落史学習用教材として図版を多く用い、日本社会における部落差別と、それと闘った運動をはじめとして、産業や思想など様々な角度から簡潔に解説してものです。 部落問題について、今日的な視点から学習する際に、多くの方々に活用していただければ幸いです。