探検家列伝は数多く出ているが、この本は質量ともに素晴らしい。
学生時代に学び憧れた探検家たち(リビングストン、マルコポーロ、アムンゼンなど)はもちろん、イギリス王立地理学会によるものだけあって
、日本ではあまり知られていない探検家たちがたくさん(女性も多い)紹介されている。紀元前から宇宙飛行士にいたるまで、宗教や大陸などの切り口からの
アプローチも実にわかりやすい。
それぞれの探検を彩る細かい資料や写真、地図などで、読んでいると自分もタイムスリップして同じ冒険をしているような気になるし、
さまざまなエピソードが歴史の授業では知りえなかった探検家の側面を描き、物語としても楽しめる。
また各探検家たちの名言が大きな文字で紹介されており、それがひとつひとつ覚えて座右の銘にしたいほど魅力的である。
彼らの波乱万丈の人生とともに読めば、近頃人気のお手軽な名言・金言集よりもよほど心にずしりと響く。
そしてなによりもいいのが、偉人伝とは全く違うところである。
誰も行かないところ、やっていないことに挑戦するわけだから、当たり前ではあるがとにかく奇人変人ぞろいで、だからこそ惹きつけられる。
進むべき道を見つけるのが難しい今の時代、彼らの破天荒な生き方はひとつの手がかりになるような気もする。
ボリュームがあるため、一度に読むことは難しい。
手元に置いて、初めから読むもよし、気に入った顔の探検家だけ読むもよし。
親子で読むのがおすすめ。あるいは教室に一冊置いて、生徒ひとりひとりが好きな探検家を選んで発表するのも楽しそうだ。
値段は高いが、それ以上の価値がある本である。