ロングライドに興味を持っているビギナーにとって「痒いところに手が届く」と言ったら良いだろうか、そんな印象を持った。
とりわけPart 1で20台の自転車を紹介しているあたり、何を買ったらよいかわからない人には便利だろう。
フレーム材質やコンポなんて言われても、初心者にはピンとこないものである。
むしろ具体的なメーカー名と機種をズバリと指摘してしまった方が話が通じやすい。
ただ、自転車も毎年モデルチェンジがなされるので、この部分をそのまま参考にできる賞味期限はごく短い。
まさか筆者が『2011年版 ロングライドの世界』を書いてくださるとは思えないから…。
来年度以降は、本で紹介されている自転車が現時点ではどれに相当するのか、
いずれがコンセプト的に近い存在なのかを推察する応用力は必要だ。
通販でなく実店舗、さらにどんな店が良いのかをきちんと書いているのも好ましい。
ロングライドに必要なモノ、技術、イベントの紹介と参加のためのアドバイスと、内容も精選されている。
これ以上のことは、各自がその分野の書籍にあたるべきだと思う。
ロングライドの魅力については、同じ著者の『自転車で遠くへ行きたい。』
および『ロングライドに出かけよう』を参考にしたらよいだろう。
しかし、どこを通って、どこに行くか。どんなスタイルで、どこを目指すか。
それはアナタ本人にしか決められない。
いかにテクノロジーが発展しようが、情報(この本も情報だ)が発達しようが、変わらない問題である。
それを解決する力こそが、実は「教養」なのである。