源平で1000人をまとめるという企画は素晴らしい。
2800円+税という値段も、版型と紙の質や豊富なカラーを考えると
納得できる。
平家の栄華、源平合戦、源氏の時代、源平時代の文化といった流れで編集する方針も、
自然である。しかし、詳細を見ていくと、大河ドラマ放映に合わせて出版しようとして
急いで編集した感はまぬがれない。詰めに甘さがあるのだ。
たとえば、「保元の乱」特集で、「後白河天皇方の武士たち」の中に、
源義朝の人物紹介が無いのは唖然とさせられる。それは、義朝はのちの「平治の乱」特集で、
大きく項目立てされているから「保元の乱」では重複を省いたということなのだろうが、
編集方針で重複を省くために「保元の乱」の中心人物を無くしてしまうと言うのは、
編集者の観点から見てページ数の省略になったとしても、
読者の観点からみるとおかしい感じがする。
もちろん、「保元の乱」の説明文では「義朝」の文字は
当然出てくるのだが「後白河天皇方の武士たち」という見出しを付けた人物紹介のなかに
「義朝」が出てこないのは、あまりにも突飛な印象なのだ。
「後白河天皇方の武士たち」の項目に、
「源頼政」が無いのも同様に異様だ。「源重成」も「源季実」もこの項目には出てこない。
頼政は「以仁王の挙兵」の項目で、
重成は「平治の乱」の項目で出てはいるのだが、
(季実はどこにも載っていない。)
やはりそれぞれの乱で活躍した人物はそれぞれの場面場面で出しておかないと、
歴史の連綿としたつながり感が出ないのだ。
そういった編集上の齟齬があって本当に残念だが、
こういった本はそれでもやはり、それなりに貴重である。
巻末の索引が、人名索引と事項索引とに分けてあるのもよい。