この本は、本を開いて左のページに文章、右のページにそれに関するイラストや写真、説明文
といった構成になっています。
魚の鮮度に関して、皮膚の光沢や色調、眼の透明感、腹部の張り具合、そして匂いなどのような
感覚的情報からの判断方法、そして凍結方法や脱水シートなどの鮮度を保つための工夫、鮮度を
科学的に分析する手法にはどのような手段があるか、魚の死後変化といったことが述べられており、
内容自体は興味深いです。
しかし、イラストが本文の内容理解を助けるために適切とは言えません。右側のページの視覚情報は
主に擬人化された猫やデフォルメされた魚が登場する写実的とは言い難いイラストからなっています。
写真を使うよりもこの本にあるイラストの方が理解しやすい、という人がいるかもしれませんが、
大多数の人にとっては実際の魚の写真を見た方が分かりやすかったでしょう。例えば、魚の鮮度を
眼から判断するということに関して、右側のページにあるのは、魚の眼球がどのように変化するかの
実物写真ではなくデフォルメされた魚のイラストですが、本書のイラストの方が理解を助けるための
手法として優れているとは私には思えません。
ビジュアル面で、もっと分かりやすくするための選択肢があったはずです。