本書は、現在20~30代のトップ・マネジメント候補、ビジネスリーダー候補に対象を絞り、その「とてつもなくおもしろい」キャリアのつくり方を提示したものである。構成は全3章で、まず、キャリアを考える際に多くの人が陥る点を「キャリアの落とし穴」として指摘。次に、キャリア構築の方法を「現状分析」「キャリア戦略とその実行」で示している。具体的には、企業ニーズや市場の把握、自己分析、キャリアゴールの設定、キャリアステップの設定、実力の売り込み、「舞台」の獲得、という順にアプローチを解説している。同社のカウンセリング事例に基づく展開で、それが実にリアルで興味深い。
たとえば、国内MBA卒、コンサルティング会社に勤務する32歳の女性の場合。「10年後は起業家」が目標で、技術系コンサルティング会社のシニアなど、3社からのオファーに悩んでいる。コンサルタントは、まず彼女にやりたいことのイメージや本質を明確にさせることから出発。3社それぞれの仕事に必要な能力、ポジションの年齢的な旬、採用側のニーズなどを分析し、本人の強みとすり合わせる。けっきょく、彼女に示されたステップの1つは、「ベンチャー特有のカオスの中でものごとを進める力、しくみをつくり回す能力」「構想力と組織を動かすプレーヤーとしての力」を得るために、ベンチャー企業のミドルでプロジェクト・マネジャーを経験せよ、というものだった。
キャリア戦略をつくっていくこうした過程に、グロービスの洗練されたノウハウが散りばめられている。ビジネス界の頂点を目指して第一歩を踏み出す際に、必読の1冊であろう。 (棚上 勉)
キャリアに関する本はこれまでにも世の中にたくさん出ている中、今回の『キャリアを考える技術、つくる技術』は、「外部環境分析⇒内部自社分析⇒目標設定⇒戦略立案・実施」という企業戦略構築の技法をアナロジーとして、「企業ニーズ、競争相手を知る⇒自己分析⇒キャリアゴール設定⇒キャリアステップを考える、実力を高める、狙った舞台を獲得する」という、「実戦的(実践的)」なキャリア構築アプローチ方法を提示する。
・チャンスをつかむには実績が必要だと言われるが、旧態依然とした保守的な企業の中でどうやって実績を作るのか?
・具体的にどうやってやりたい仕事をつかむのか?
・どうしたら自分の強みをより有効に表現できるのか?
・どのように次のステップに向けて能力開発をしていけばよいのか?
・そもそもやりたいことをどうやって見つけるのか?
といった疑問に対して、具体的な方策を実際のキャリア・カウンセリングの事例を用いながらひもといていく。
ビジネスリーダーのキャリア開発支援に長年携わってきたスタッフの手による著書であり、目標設定や能力、チャンスを獲得する時の、『キャリアの落とし穴』の指摘も具体的。
オリジナルのキャリア・デザイン・ツール(特製チェックシート)も提供されており、将来のビジネスリーダーとしてのキャリア・ビジョンを描く読者諸氏の座右の書となろう。
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最も参考になったカスタマーレビュー
9 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
コンサル・経営者志向の方は必読!,
By
レビュー対象商品: ビジネスリーダーへの キャリアを考える技術・つくる技術 (単行本)
「キャリア」と銘打っておきながら、その内実は、転職マニュアル本に毛が生えたに過ぎない本があふれるなか、本書は、「キャリア」を丁寧に考えていく良書である。ビジネス・リーダーを目指す人を読者に想定しており、コンサルタントや経営者を志向する方は、読めば、必ず、得るものがある。 具体的な事例としての、キャリア・コンサルティングも、沢山掲載されており、分かりやすい。 ビジネス・リーダーに求められる資質、そして、それを身につけるキャリア・パスの考え方など、特に納得させられる。自分自身、この本を読まなければ、そういうところまで、考えが及ばなかったと思う。
9 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
この手の本の中では圧倒的に読みやすいのでは,
By
レビュー対象商品: ビジネスリーダーへの キャリアを考える技術・つくる技術 (単行本)
キャリアマネジメント関連は何冊か読みましたが、どれも洋書を翻訳したものが中心で横文字のオンパレード。「分かったようで、結局分からなかった」ものが多かった気がします。その点、この本は日本人が書いたものですし、何よりも事例が豊富。(洋書は事例があってもあまり参考にならないことが多い。)読みやすさでは大変評価できると思います。ただし、想定している業界が、コンサルか経営者志向のみで幅が狭いのが難点で、星4つ。
15 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
混迷の時代の羅針盤,
By カスタマー
レビュー対象商品: ビジネスリーダーへの キャリアを考える技術・つくる技術 (単行本)
自らが帰属する会社もいつつぶれるかわからない、という 不確実な時代に、個人はいかに立ち向かっていくべきか、 という問いに対する指南書として、キャリア戦略の必要性 を訴える本は多い。 ただ、それらの大半は、「転職を意識する人は、こういう 行動を取るべきだ」という教訓めいた解説で終わってしま っていて、「じゃ、俺は明日から何をすればいいんだ?」という現実的なアクションプランまでの提示が出来ていな いのが実状。 その点、本書は、1,000名を超えるカウンセリング経験に 裏打ちされたリアル感があり、思わず納得させられてしま う説得力にあふれている。 また、実例を交えながら物語形式で話しが進んでいくので 、引き込まれて一気に読んでしまえる読みやすさも魅力と なっている。 しかも、「現在位置」を示すというアイディアが採用され 、後日実際にキャリアプラン作成に取り組む上できっと役 に立つだろうなぁ。 このあたりの心憎いばかりの実用面への配慮がありがた い。以上、スルメのように噛めば噛むほど味わい深い、 オススメの一冊である。
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