IPAのストラテジスト試験を受けるので読んでみました。
小説の形態を取っているため、小説としてはどうしてもゴールドラットと比べて見劣りしましたが、
本書は、マネジメント・オブ・テクノロジーを真っ向から解説する姿勢を取っており、
その真っ向勝負ぶりに好感を持って読めました。
本書は、発生する問題→有り得る対処、のケーススタディの形を取っています。
エピローグにあるように、答えは無い、しかし最良の方法はある、(うろ覚え)
というのはある意味、逃げのようにも思いますが、
誰も反論できない真実なのは確かでしょう。
コンフリクトの調整において、最後に、トップの判断という「ハッピーエンド」を目指す。
本書で描かれるアメリカ流トップ・ダウンもまた、トップが選択する一つの真実、
ということになりますね。
確かに、ひとつの答えは有り得ません。
とはいえ、有り得る対処、には著者陣の考えが詰まっていて、取り上げられるケースにも拠りますが、
(著者に拠っているのかな?)方向性のはっきりした論調で、意図は汲み取りやすく、
私ら一般人には勉強になること請け合いです。
また、IT部門の特殊性も上手に解説されていて、「現場」の我々も納得です。
SOAなどの実装技術、アジャイルなどの開発手法に関しては、変な期待=誤解を招きそうな気がしますが、
実装技術や開発手法は本書ではそれほど重要じゃないんで評価外ということにします。
私としては、ITマネージャは現場に不条理を実行させる、という"キッド"の指摘が、
マネジメントの根底にあるように思い、印象深かったですが、これも本書の傍流ですね。