タイトルとレビューの評価の高さで早速購入。しかし、がっかりしました。
大手コンサルに勤めていた時にどっぷりつかっていた時と同じにおいがして
、ほんとに学者さんかと思い、その場でスマホで検索してしまいました。
著者の過去の研究を見ると、移転価格、EVA、リスクマネジメント、価値経営など、
その時々の流行のテーマの論文が数編ずつあるのだが、 一貫性がなく、何の専門家なの不明。
少なくとも、論文の履歴を見る限りでは戦略やビジネスモデルの論文はここ2年ほどの数編しかなく
、専門家じゃない。ある意味納得。
内容は従来研究の表層を寄せ集めたパッチワークで、ところどころ間違いも散見される。
ネーミングはうまいが、その中身は従来研究の主張を劣化させて取り込んだだけで、
各概念を深めるわけでもなく、相反する活動の整合性をとるわけでもない。
戦略論を専門的に学んだことのある方や一定規模の会社を経営している経営者・上級管理職ならば、
この意味はよくわかるはず。
一例をあげるなら、オーバーシューティングの件では、クリステンセンは戦略、組織、資源配分の観点から深く分析しているが、
本書では表面的な単品の製品の魅力としてしかとらえていないために、どうすればできるのかという点で示唆がない。
せいぜい、ブルーオーシャンの枠組みを提示するのみに留まっている。
似た視点で書かれた少し古本だが、榊原先生のイノベーションの収益化と比べると、
分析枠組みの不十分さを理解してもらえると思う。
ケースについても、「仕組み」ではなく単品の魅力について取り上げたり、「利益」の出ていないケースだったり、
理論部分と齟齬がある。WTPの分析に至っては完全にトートロジーで、WTPの概念やその概念を使う意義さえ理解していないようだ。
レビュワーのレビュー履歴を見れば、関係者によるステマもしくはご厚意は一目瞭然で、
それに気がつかなかった自分が迂闊だったということか。