まずタイトルを見て、次に目次を見て、適当に数ページチラ読みして、とても期待して購読しました。
読後の感想としては、プラスマイナスあり悩みますが、「少し迷った上で推奨」・・・と。
まず残念に感じた点。
(1)まるで回顧録やビジネス小説のよう
よく起業家や有名人が成功するまでを振り返るといったものがありますが、本書は「著者による行動観察奮闘記」といった感じ。体系だてられて書かれていない。「行動観察ものがたり」まぁ、そんな感じである。故に・・・
(2)不要な部分が多すぎる
「それ、いる? その感想とか、人名とか・・・」という部分が少なくない。やや冗長に感じる。
本書では様々な領域の事例がでてくるが、観察から導きだされるソリューションが、なぜ“それ”なのかが分かりにくい。観察する人によるのではないか?第2章の4で「優秀な営業マンはここが違う」というテーマを扱っているが、この手法にもそれが必要な気がする。
要するに、結局は暗黙知。ようは、考えて仕事をしろ、の一言につきる感も。
本書を読んでノウハウを身につけることはできない。学べるのは、スタンスだ。
良かった点をあげてみたい。
(1)とにかく事例が幅広い
顧客対象に深く入り込むマーケティング的観察から、営業マンの観察、オフィスの残業を減らす観察、店舗やイベントの活性化と、様々な事例がある。ビジネスパーソンなら、2つ3つは興味深いテーマがあるはずだ。
(2)行動観察する人のスタンスがわかる
前述の残念な点の裏返しになるが、行動観察がどのように行われるかが書かれているので、“自社が行動観察を導入するとしたら、というイメージがわきやすい”。
おそらく、読む人によっては「そんなの、できるビジネスパーソンなら皆やってるよ!」と感じる人も多いと思う。過度な期待はがっかりにつながる。
が、それを差し引いても、本書のテーマ・手法は非常に興味深いものであると思うし、著者の人柄は好感が持てる。また本書から得られる気づきは、決して新しくはない(感じられない)かもしれないが、ビジネスパーソンに必須のスタンスであることに違いはない。
本書を読むにあたり、「そんなの知っている」ではなく、「そうそう、そうだよな!」と感じられることも非常に重要なのではないか、と思える。そもそも、行動観察という手法は、まずはこの本のように全体を通して感覚を掴まないといけないものなのかもしれない。分からないが…。
それと、読んでいていつまらない本ではない。手法そのものに限らず、例えばワーキングマザーの実態とか、色々な気づきが得られて、たいへん興味深い。
ということで、推奨。
願わくば、次回作では体系だてたものを。