企業のメンタルヘルス対策本と言えば、ストレス対策、メンタルヘルス不調の説明、メンタル疾患の説明などなど。管理監督者のケアや従業員それぞれのケアの大切さが言われている。
この本では、ストレスを詳しく解明していく過程でTHQ組織診断というツールをつかい(簡易版は書中にあり)、本人のストレス状態だけでなく、集団のストレス状態を分析。その後の対策法も示している。
個人のストレス判定を
気分良好・適応良好、気分不良・適応良好、気分良好・適応不良、気分不良・適応不良と4種に分類し、個々人のデータを集積した集団の分布図から、職場のストレスを判定している。
この集団のストレスは、
気分良好・適応良好に分布が固まっていれば、離職率の低い優良企業パターン
気分良好・適応良好、気分良好・適応不良に分布が多ければ、短絡的な成果主義により促進される「うつ」の発生しやすいパターン
気分不良・適応良好、気分不良・適応不良分布は成長力を失った企業パターン
気分良好・適応良好、気分不良・適応良好分布は社員間の能力差が広がる企業パターン
などなど、その原因にも言及されていて興味深い。
本人のストレス状態を、
生活習慣危険傾向 カラオケ飲酒でストレス発散
消極傾向 問題回避
漂流傾向 人の意見に左右されがち
焦燥傾向 早くやらないと気が済まない 効率があがっていない
神経質傾向 先行きを心配
孤高傾向 人間関係を煩わしく思う 孤立に美学を感じる
の6つに分けて表現。タイプ別ストレス対処法を解説。
また、管理監督者の部下へのケアのポイントも実践的。
著されている中で、視点が面白いと思ったのは、ストレス要因に、
企業の方針・展望・理念が明確でないこと、
人事評価が不明瞭など人事制度の不備があげられていたこと。
また、採用時に企業の価値観と合うものを採るということ。
人的資源管理の視点が新鮮だった。