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最も参考になったカスタマーレビュー
3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
菜食主義について宮澤賢治がユーモラスに議論を繰り広げる楽しい作品,
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レビュー対象商品: ビジテリアン大祭 (角川文庫) (文庫)
表題作のビジタリアンは菜食主義者(ベジタリアン)のこと。宮澤賢治の菜食主義についての様々な考察がわかります。この作品は一時間ほどで読めます。前半の一部で原稿が散逸しているので、未完の作品とも言えますが、内容は完結しています。各国の菜食主義者の代表とその反対派(異教徒と呼ばれています)を大会で議論させ、それぞれの意見をユーモアたっぷりに、皮肉を込めて書かれています。ここにキリスト教徒と仏教徒なども登場させ、善とは何か、神の摂理とは何か(この世で起こることはすべて神の意思でおこるので結果としておこったことは神の摂理であり善であるとする意見)について、菜食主義を超えて議論が繰り広げられます。反対派も賛成派も堂々と意見を述べている陰で、心中は冷や汗をかいていると表現されたり、ラストにはどんでん返しもあり、賢治自身がどちらの立場を支持しているということは明確ではありません。双方をユーモラスに描くことで、極端な両者の立場をはるかに超えたところに立って作品を楽しんで書いている賢治が想像できます。未だ解明されていないブッタの死の原因に関する議論(食中毒の原因が豚か茸か)などにも触れられており、賢治の仏教に対する科学的アプローチも感じられる作品です。猶、田島正樹先生はこの作品に対する哲学的考察を“ビジテリアンのイデオロギーとユトピア”のなかで述べておられるようです。
5つ星のうち 5.0
未完成原稿の端々に垣間見られる、賢治の修羅の一面,
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レビュー対象商品: ビジテリアン大祭 (角川文庫) (文庫)
ビジテリアン(ベジタリアン)と反対派の論争を描く表題作や、密造酒摘発に執念を燃やす男『税務署長の冒険』、ほふられるとわかって神経症になる豚と人間との駆け引きを描いた『フランドン農学校の豚』など、かなりダークで過激な作品が多く収められている。だからこそ、「正しく清くはたらくひとはひとつの大きな芸術を時間のうしろにつくるのです」という言葉が印象的な『マリヴロンと少女』、「デクノボー」たる賢治自身を仮託したような純朴な少年の物語『虔十公園林』など、美しい心根が語られた作品とのコントラストが際立っている。 いくら知識があり芸術の崇高さを謳おうとも、他の生き物の命を奪わずには生きていけない人間の業を突き詰める賢治の目には、やはり胸をつかれずにいられない。
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