★ロサンゼルスで家具の販売会社を経営しているダグ(ロン・シルヴァー)とリン(レベッカ・デモーネイ)夫婦はメキシコからの帰り道に警官を轢き殺してしまう。逮捕されれば有罪は確定的。不安に怯えながら何とか無事に帰宅した二人であったが、数日後、メキシコから来たシェル(ルトガー・ハウアー)と名乗る胡散臭い男が二人の前に現れた。彼は職探しのために二人を訪ねて来ていたのだが、シェルの口調はまるで轢き逃げ事件を知っているという意味が込められているようでもあった。翌日、ダグが断ったにも関わらず、シェルは二人の家の前にキャンピングカーを駐車し、我が物顔で生活するようになる。そればかりか他人にまで危害を加えるシェルの傍若無人な言動は悪質なまでにエスカレートしていくが、その裏にはシェルの恐るべき欲望の罠が仕掛けられていた。彼の正体と狙いを知ったダグとリンは逆襲を試みる!。という、『暴走特急』や『フリージャック』等のジェフ・マーフィ監督による、一種の〈居直り型〉サイコ・サスペンスだが、あまりにも先の読めるトントン拍子の平板な展開だから興ざめる。怪優ルトガー・ハウアーのねちっこい悪党ぶりは普及点ではあるものの、いささか押しが足りず、彼本来の特異な不気味さが中途半端なのも惜しい。さらに人物関係の配置もお決まりなパターンなうえに、ハラハラドキドキな緊張感すらほとんど見当たらない行き当たりバッタリな趣向は感心できない★。