“音楽用の”リニア PCM 録音機。同価格帯の多くの録音機のようにオーディオ的に超 Hi-Fi を志向したものではなく(といっても結構良い音で録れるが)、パートキャンセル、重ね録音、スピード/キーコントロール、クロマチックチューナーなど、音楽的に便利な機能が盛り込まれたものとなっている。
まず外観・質感だが、希望小売価格¥31,500- (税込)の製品としてあまりにも安っぽくないか。それも高級そうに見せようとして失敗している感じなのが痛い。先に出た下位機種の XA-LM1 の方がよく見えるのはどうしたことか。しかも見てくれだけではなく、実際に操作しても、いたるところに安物感が漂う。機能は良いのに本当にもったいないと思う。
携帯用ケースは付属しない。 XA-LM1 と共用のポーチ AC-RL20J が別売(オープン価格)で用意されているが、実売価格は驚くほど高価である。音楽用のマイクロホンを内蔵する機器を裸で持ち歩く気になれない人は、スマートフォン用とかハードディスク用のポーチを流用するといいと思うが、寸法の合うのを探すのが面倒ではある。
取扱説明書はなんだかものすごく読みづらい。紙の判が小さいせいもあるがそれだけではなく、フォントやページの割り付けなどが拙いのだと思う。カタログには取説を読まなくても使えるようなコメントが載っているが、そんなことはない。
小形にもかかわらずΦ6.3 mm モノラルフォン入力ジャックを備えたところは JVC こだわったと思う。“コンタクトマイク/ギター入力端子”という名前だが、ボーカル用のダイナミックマイクロホンもつなげ、充分なゲインがある。もちろんΦ3.5 mm ステレオフォン入力ジャックも装備しており、マイク/ラインの切替とプラグインパワーのオン/オフができる。ただ、どちらもレベルの仕様として“最大入力レベル 0 dBV”とだけ記されているが、長年オーディオ機器を手掛けているんだから、基準入力レベルや最小入力レベルもきちんと書いてほしい。
欠点をあげつらってしまったが、音楽の練習用として便利な機能が凝縮されていると思う。洗練された製品とはいい難いが、それを承知で買う価値はある。ソニーあたりが作れば、何より見てくれを立派に仕上げてくるだろうに、本当に泥臭いメーカーだと思う。