これはまた何とも不思議なイヤホンです。いくら1000円を切るお値段だからといっても、本体はプラスチックのおもちゃ風安っぽさ、ケーブルは細くてフニャフニャ、極めつけはプラグで、よくここまで恥も外聞も捨てられたというほどチープさ。開梱して初めて目にしたときはまさに「目が点」状態で、唖然としました。「こりゃイカン」と思いつつ、全く期待もせずにDAPにつないで音を聴いた瞬間、またしても電撃ショック。「なんじゃ、コリャ!」何と見てくれからはとても想像できないオーソドックスで本格的な音がするじゃあ〜りませんか!それからとっかえひっかえ、いろいろな曲を貪るように聴いていきましたが、聴けば聴くほど正統的な音に引き込まれていきました。
主にクラシックを中心に聴いていますが、帯域はそれほど広くはないものの、とにかく低音から高音にかけてフラットでウェルバランス、刺激的な音は一切せずクラシック音楽をしっとりと潤いのある音で聴かせてくれます。最も難しいジャンルであるクラシックをこれほどキッチリと奏でてくれるということは、相当な基本性能と実力を持っているといっていいでしょう。もちろん価格が価格ですから、音のキレや分解能、さらには豊かなプレゼンスといったものを求めても所詮限度がありますが、ソースの状態をキッチリ描き出すという意味で、モニター的な音といってもいいかもしれません。逆に、ハードロックなどではパンチや迫力に欠けて、おとなしい感じになってしまうかもしれませんが。
本体は耳の中に完全に隠れてしまうほど、とにかく小さくて軽く、装着感もなかなかグーです。ケーブルも細くてやわな分、タッチノイズが小さいというメリットが出ています。イヤーピースは、付属のものもそこそこ使えますが、パナソニックのRP-PD3Lに交換したところ、密閉度が増し、音にますます深みやつやが出たように感じると同時に、遮音性も高まりました。どのような機器につないでも、それなりにいい音で鳴ってくれるというのがうれしいですね。今は主に、TranscendのT.sonic650や320を使っていますが、ポータブルCDプレーヤにつないでもそれなりの音を聴かせてくれます。
他人に見られるのがちょっと恥ずかしい?見てくれさえ我慢できれば、これは超ハイCP、個人的には同じ価格帯のパナHJ150よりもはるかに自然で満足できる音が聴ける「お勧め品」と太鼓判を押せます。