法律関係のドラマは最近は沢山世に出ていて、どれも独特の面白さを持っている期待値の高いジャンルである(と個人的には感じている)訳ですが、その中でもドラマらしくないドラマで、且つ法律的な面白さと物語の面白さの両面を兼ね備えた傑作がこの『ビギナー』です。月9の主演に新人起用という異例さで放送前から話題には挙がっていましたが、変にイメージの定着していないミムラさんの新鮮な演技が他の役者さん達の雰囲気と凄くよく噛み合って楽しめました。法律の世界というと何かと陰の部分も多そうですが、それらに屈せず弱小な存在ながら正義を問う彼等の姿勢は非常に好感を持てました。
演技・物語・トピックともに充実していて、何度見ても楽しめます。大きな笑いがあるという訳でもありませんし、推理ドラマみたく劇的な展開で犯人が明らかになる訳でもありません。況して、講義室という狭い部屋の中で淡々とドラマが進んでいく場面が多いので、ちょっと聞いただけでは単調限りないドラマに聞こえるかも知れませんが、寧ろ"講義室の中で問える正義"こそが本作品の大きな主題の様な気がします。たいそうな肩書きでもなく、かといって一般人とも少し違う、司法修習生という特別な立場の人たちの心境や現状を上手く描いてくれました。全く縁の無い世界なのに、"自分も法律を勉強してみようかな"と興味を抱かせてくれるピュアな作品です。