内容紹介
「核兵器の恐ろしさを誰かが言わなければ、いつかきっと大変なことが起こる。
それを知っているのは被害を受けた当事者、死の恐怖を身をもって体験してきた俺たち自身ではないのか。
そんなふうに少しずつ思うようになっていた。」
1954年3月1日、太平洋ビキニ環礁近くでマグロ漁をしていた第五福竜丸の乗組員は見たことのない光と音を目撃、
その後、乗組員に白い粉が降りかかってきた。
それは広島型原爆の千倍の威力をもつ水素爆弾「ブラボー」の爆発でできた死の灰だった。
世界を震撼させたビキニ事件は、こうして始まる。
放射能雨、原爆マグロ、そして被爆した23人の乗組員の一人、久保山愛吉さんの死。
原水爆禁止運動は日本から世界中に広まっていった。
しかし、冷戦の力学の中、日本政府はアメリカ政府との間で200万ドルの見舞金と原子力技術の供与という政治決着を行い、
わずか9カ月で事件に蓋をする。
被爆した乗組員への補償はその後何らなく、彼らは障害を抱えたまま、事件は忘れ去られていった。
だが、事件は終わっていない。
第五福竜丸の乗組員であった著者は、長年、被爆者であることを隠し通してきた。
しかし1983年、著者は体験を語り始める。
小中学校で、高校で、全国各地で。
あれから50年、証言や資料なども駆使しつつ、ここにビキニ事件の真実が初めて明らかになる。
核廃絶の思いとともにおくる衝撃作。
内容(「BOOK」データベースより)
1954年3月1日、第五福竜丸、ビキニの米水爆実験により被爆。あれから50年、ビキニ事件はまだ終っていない。核廃絶と平和への思いをこめ、元乗組員が綴る。