積極的に録音活動を行っているエサ・ペッカ・サロネン(Esa-Pekka Salonen)とロス・フィルによるヒンデミットの作品集。
非常にソフトなトーンで聴きやすい仕上がりになっているのが特徴。
演奏もソフトな趣きを重視している。
たとえばウェーバーの主題による交響的変容では、この曲は10種類を超える打楽器が活躍する曲であるが、そのようなオーケストラの編成上の特徴をあまり強調することなく、調和を求めて描かれている。
全般に淡白な表現であるが、決して軽薄なわけではなく、響きの軽重といったバランスに配慮した演奏であり、それにともなって録音もソフトに仕上がっていると感じられる。
主題と変奏「4つの気質」は事実上ヒンデミットのピアノ協奏曲といえる作品であるが、ここではエマニュエル・アックスを独奏に迎えて、慎重な音楽を作っている。
全般に均質な密度に仕上がっており、サロネンらしくコンパクトに論理だてて収納されていく感じがわかる。
代表作と知られる交響曲「画家マティス」ももちろん同様のアプローチによっている。
全部で80分近い収録時間となっており、これだけの品質でヒンデミットの主要作品を聴けるのはなかなか嬉しい。
一方で、どこか強いインパクトを与えるような個所があるかというと、そうでもないところもあり、ややアカデミックに過ぎた感じも残った。