ウルトラと表題にはありますが、他のレビュアーのおっしゃる通り、ウルトラQ、マンに関する記事は最後の2割程度で、誕生から写真小説のモデル子役、東宝の養成所時代、女優時代それから円谷プロでの仕事(ウルトラQ、マン)で本書は終わっています。
それ以後の女優活動については本書では書かれていません。(後日書かれる可能性は低いのでは、少なくとも現在の筆者の立場ではウルトラセブン封印作品に触れることは無いでしょう)
過去の二冊
ウルトラマン青春記―フジ隊員の929日ウルトラマン創世記では自分に関する部分は「私」という一人称でしたが、今回の本は題名にもある「ヒロコ」という三人称になっており、この方が内容を客観的に捉えられて良いのでしょう。
筆者の特徴はテンポが良いので一日あれば読み終えられます。当時の時代背景を、織り交ぜながら(一部最近の表現に変えて若い読者の理解し安易くしてはいますが)、児童向け演劇学校の実態、映画会社の俳優養成システム(筆者の所属した東宝のものですが)、監督によって異なる撮影現場の雰囲気などヒロコの目を通して描かれています。
同じオーディションの場に居合わせた市原悦子氏(実は其々別の役のオーディションだったのですが)のことを筆者がライヴァル視するような微笑ましいエピソードがあります。
佐原健二氏が
素晴らしき特撮人生で筆者のことを18歳にしては落ち着いていたという印象を述べていますが、本書を読んでくぐりぬけてきたもの、背負っていたものが違うことが良くわかりました。