ツタヤグループに取り扱いを拒否されてしまった作品。理由は描写にある、ということでしたが、残虐極まるから、というわけではなさそうです。ゴアシーンの残酷度は「クライモリ」と同じくらいのレベル。むしろ、大人しいくらいです。問題になったのは、核実験の被害者が奇形化して人を襲う、という設定にあるのでしょう。
冒頭、核実験のフィルムと、様々な奇形児の写真が、延々と繰り返し交互に映され、さすがにこれを被爆者が見たら嫌な気持ちになるだろうな、というような印象はありました。しかし、この場面がなければこの映画の生々しさは出なかったでしょう。米国の砂漠で繰り返された核実験に対する恐怖が、この映画の単なるエンタティンメントではない不気味さにつながっています。それは差別とはいわないまでも、人を不快な気持ちにさせる要因でもあり、ホラーはそういう暗部を描くのが宿命ですから難しいです。
砂漠で立ち往生してしまう一家はなかなか丁寧に描かれていて、十分にタメがあるので、その後の展開にも緊迫感がありました。
もちろん斧で体をたたき割ったり、生きたまま焼いたりというゴアシーンはありますが、赤ん坊や子供が残虐に殺されたり、女性が監禁していたぶられたりレイプされたりという場面はないので、他のホラーに比べるとむしろそれらの点では一線は超えていないといえます。
それでも異様な雰囲気があるのは、中盤に出てくる放射能で廃虚と化した(と思われる)町の描写などがいいからでしょう。
奇形化した一家のメークはオリジナルの「サランドラ」に比べてかなり進んでいます。もうほとんど人間ではありません。しかし、人食い場面はちょこっとしかありませんでした。
砂漠の空の色の奇妙な青さは、何となく終末感を漂わせており、文明が機能を失ってしまった世界の恐ろしさがよく出ておりました。