HPは外資系IT企業でありながら、東京都下の昭島にPCの組み立て工場を持っているユニークな企業です。一般的に外資系企業が日本国内に製造拠点を持つことは珍しいと不思議に思っていたので、本書を手に取りました。
サブタイトルには「健全な合理主義」とありますが、国内に製造拠点があるのも短納期かつ日本市場特有の高品質に対するニーズを満たすための選択の結果であることがわかりました。
合理性を追求するというのは社外からは一見簡単そうに見えますが、社内に様々な力関係がある外資系企業のなかで、日本市場の要求を納得してもらい、実現するのは並大抵の努力ではないと思います。
筆者があえて"健全な"というキーワードを持ってきているのも、これが容易ではないということを暗示しているようです。
コンパックと HP 合併後の事業再編の際に適用された"合併時の力関係にとらわれず市場競争力のあるビジネスを継続させる"というアダプト&ゴーという基本方針や中国に設置した社内業務のアウトソーシング拠点の開設・運用の話など、国内企業でもグローバル展開において参考になることは多いと思います。