「ヒュペルボレオス」って書かれて判らなくても、「ハイパーボリア」と書いてあればたちどころに判りますよね…というか、それで判っちゃう人にはとにかくおすすめです。例の蛇人間も蝦蟇の神様もエイボンの書もどんどん出てきます。
ゾティークが地球最後の大陸なのに対し、ハイパーボリアは超古代大陸という設定なので、その姿を「未来」から振り返って描写することができます。それだけ重層的な物語が組み立てられ、「お話」としての楽しさはゾティークを凌ぎます。「ウッボ=サトゥラ」なんて「現代」のロンドンが舞台ですから、一瞬だけだけどマッケンを読んでいる気分になりますよ。同時に、コリン・ウィルソンがH.P.L.に対し激しく攻撃した退化願望とでもいうべきものも引き継いでいる感じです。
カバーの東逸子さんの絵はますます冴え、氷の巫女とおぼしい姿に取り込まれそうになりますね。