「ヒャッコ」がアニメ化されると聞いたとき、こりゃストック少ないから間違いなく
新刊の分もネタを使い切るだろうと踏んで敢えて読まなかったこの4巻。
しかし先日アニメが終わってみると意外にも4巻で使われたのはサブキャラの家族や友達の設定だけだったという。
いやー驚くほど空っぽな青春である。
もうほとんどがグダグダで、しまりもクソもない緩みきった夏休みの日記帳を見てるのと同じ。
だけどそれが非常に和む。中には明らかにやらかしてるキャラも複数いて、
やりたい放題な雰囲気も好み。しかしそれで終わるカトウハルアキの世界ではなく
ところどころにしんみりする様な、また何かを予感させるようなシーンを実にスムーズに、
わざとらしさを全く感じさせずにポイッと投げ込んでるのが面白いな、と。
個人的には虎子の兄、狐と歩巳の奇妙な縁に興味を引かれたが。
あの二人はどうなるんだろう。どう転びそうな予感もする。それがこの漫画のいいところでもある。
賑やかなキャラが大勢集まり、その誰もがいい人という世界観はともすればうそ臭さを感じさせることもあるが
カトウハルアキの適度にラフな描き方は確かな友情と信頼を感じさせてくれる。
おまけページの虎子があまがさ先生の家に遊びに行く話しも余計な事情を感じさせず、「あ〜ただ仲がいいんだなあ」と思えたのも良かった。
カトウハルアキの作品は、完成度や作りこみという点では抜群に高いというわけではないと思うが
キャラの面白さ、雰囲気の温かさ、人間味という点においてはピカ一である。
良い部分も嫌な部分もストレートに描いてくるその遠慮のなさが好きだ。最高の漫画の一つだと思う。