京都アニメーション×ランティスの作品ですから、当然今回も主演声優がわいわい賑やかにラップする楽曲を想像していました。見事に裏切られましたね。まずは安全パイを避けた企画性に拍手したいです。あの路線はあちこちで真似されてましたから、本家が自己模倣を避けたのはいい判断だと思います。
ヒャダイン起用の経緯は本人ブログでもある程度語られていますが、まさに「レコード会社各社による争奪戦」だったようです。それだけ今は、ニコニコ動画の影響力を無視できない時代なんでしょうね。
前山田健一は、すでに作曲家として倖田來未×misono「It's all Love!」や、東方神起「Share The World」などトップヒットの実績を持っていますが、アニメとの相性がいいのか「みつどもえ」関連では実にいい仕事をしていました。キャラソンの出来が素晴らしかった。
さて、ヒャダインの特徴といえば、1人多重録音のボーカルですね。特に、女声パートまで自ら歌ってピッチ加工するのがウリ。この曲でもそれはいかんなく発揮されており、男声と女声のかけあい風になっています。
というかこれ、完全にドゥーワップですね。男声リードシンガーに、女声コーラスがつく形態が黒人音楽ではよくありますが、それを1人でやってしまった感じです。
サウンド面ではイントロでオーケストラヒットを使ったりして、アニソン伝統の「スタチャ風」にちょっと色気を見せている。女声パートのニュアンスもアニメっぽい芝居が入っていて、きちんとアニソン風に仕上げているあたり、さすがプロの仕事。楽曲の骨子は黒人音楽なのに、黒っぽさをあまり感じさせないあっさり味です。
それにしてもヒャダインは女の子の可愛らしい歌い方が本当にうまい。「麻生夏子に歌わせればいいじゃん」という声もありますが、実際の女性はなかなかここまで媚び媚びの歌い方はできないもんですよ。
まあレコーディング風景を想像すると、ちょっぴりキモかったりもしますが(笑)。