登山という究極の世界にのめりこむ男たちというのは、大抵どこか一癖(自暴自棄とまではいかないが、どこか現実社会を見据えていないところもある)があり尖っているものだが、山田昇という人物はそれとは裏腹に温厚で誰からも好かれるタイプであったらしい。
そのことは、本書を手にしていてもひしひしと伝わってくる。
8000m級制覇野望の途上で、やはり他の多くの登山家と同様、登山事故であっけない人生の結末を迎えてしまう。
山田昇自身よりも彼の周辺の人物が述べられており、本人に関する記述が少ないく、いまいち彼のイメージが伝わってこなかったのが残念ではあった。
彼自身、筆不精で著書をはじめ登山記らしい登山記というものを残していないため、なお更なのかもしれないが。